少し前まで夏のような暑さだったのに、チーズショップの店頭には、もう『Mont d'Or』 が! ・・・え?もうそんな季節?早いですね。初物だそうです。うーん、秋ですね。シーズン最初とあってお店も力が入っていて、5つの生産者の Mont d'Or を揃えていました。そんなのを見たら、素通りなんてできません。
****食べて、飲んで、調べたこと・・******************************************
Mont d'Or
Mont d'Or は、フランス東部のフラッシュ・コンテ地方の、スイスとの国境に位置するMont d'Or(黄金の山)渓谷一帯で作られるウォッシュタイプのチーズです。エピセアというもみの木の皮に巻いて、エピセアの棚で熟成し、エピセアの木箱に詰めて出荷する為、仄かに湿った木の香りがするのが特徴。表皮は固くてごわっとしていますが、中身は柔らかくクリーミー。生産期間が、8/15から翌年の3/15までと決められていて、市場に出回るのが9月下旬から3月下旬に限られた、これからの季節が旬のチーズです。
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5種類のMont d'Or を前に散々迷った挙句、普段名古屋では手に入らない生産者のものを購入することにしました。濃い山吹色に輝く表皮が特徴的。少し波打った固い表皮をめくると、中身は淡いクリーム色。まだ熟成が若いせいか、モッチリとした弾力があります。香りもまだウォッシュ特有のクセはなく、柔かな木の香りがほんのりとする程度。塩気は穏やかで、若いながらも、ミルクの濃厚な甘みと、草やナッツのフレーバーが楽しめます。この時期ならではの優しい Mont d'Or を数日かけて味わったら、最後は、やっぱり、白ワインと白胡椒、おろしニンニクを加えて、箱ごとオーブン焼きしたミニ・フォンデューで〆といたしましょう。秋が深まり、寒さが本格的になる毎に美味しさが増すこのチーズ、今シーズンは、何度、楽しむことができるしょうか。