スッポン食べませんか?
というお誘いメールを頂戴し、週末は豊橋でスッポン三昧とあいなりました。
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_20174458.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_20174458.jpg)
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_20133745.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_20133745.jpg)
今回、スッポン料理を食べさせてもらったのは、豊橋駅から徒歩5分程の場所にある「
山猫軒」。外観、内装・・ともに怪しい雰囲気満載。店を仕切る伊藤シェフも個性的で、常連さんと一緒でないと、入るのにちょっと勇気が要りそうなお店ですが、丁寧に作った料理をじっくり楽しませてくれる、とてもチャーミングなお店です。私たちが店にいる時も、お花見用に予約していたらしい、お弁当とワインを受け取りに来る人が姿があったり・・・地元の方に愛されているお店なんだな、という雰囲気が感じられました。
今回我々7人のために用意していただいたのは、浜松の
服部中村養鼈場産で、重さ900g程のスッポン4匹。シェフのお話によりますと、「スッポンは成長して大きくなったものの方が味がしっかりしていて美味しい」のだそうです。鶏で言うならヒナより親・・という感じでしょうか。この日のメニューは「スッポン尽くし(¥13,000)」というその名の通り、スッポンの内臓、甲羅、エンペラ、首肉・・・とあらゆる部位がくまなく調理され、15種類の料理となって供されました。
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_2014102.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_2014102.jpg)
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_20142058.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_20142058.jpg)
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_20143387.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_20143387.jpg)
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_20144827.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_20144827.jpg)
料理を待つ間に、まずは一杯飲りましょう・・・とお酒を頼んだら、日本酒の一升瓶とコップがテーブルにドン。「勝手に飲って、残ったら返して下さい」・・だそうです。酒飲みばかりなので、この方が気楽ではあります(^^ゝ「多分、余すことはないと思いますよ」とシェフにお返事して、乾杯!
●甲羅とアスパラガスの酢味噌和え
最初に出てきたのが、スッポンの甲羅とアスパラガスの酢味噌和え。いきなり変化球(^^ゝ白いのは腹側の甲羅、黒っぽいのが背側の甲羅。甲羅というと硬いイメージがあるのですが、調理された甲羅は、舌触りは滑らかで、柔らかく、プルプルとした食感。噛むと舌の上にスッと溶けてなくなる感じ。葛切りみたいな食感といえばいいかしら・・・。穏やかで優しい味わい。強いて言えば、背側の方が味が濃かったかしら。酢味噌でさっぱりと。
●卵巣の醤油漬け
お猪口サイズの小皿に、黒米と米を1:3で炊いたご飯に、スッポンの卵巣の醤油漬けが盛られて登場。スッポンの卵巣から取り出した卵は、濃い山吹色で、皮には張りがあり、齧ると、粘りがあり、ねっとりとした濃厚な味わい。黒米の香ばしさと良く合います。山廃のような力強いお酒とは好相性。酒が進みます。
●卵管・腸壁・肝の時雨煮
スッポンの卵管、腸壁、肝を醤油、酒、生姜で煮たお料理。お粥と一緒にいただきます。卵管のコリコリとした食感、腸壁のトロトロ具合が堪らない。意外と肝は、鶏よりも優しい味わい。ちなみに生姜を使った料理は、これだけなんだそうです。
●スッポンのカラスミ
スッポンの卵巣を塩漬けにしてから干して作ったカラスミ。噛み締める毎に濃厚な味わいが広がります。熟成したミモレットに通じる旨味があります。お酒を呼ぶ珍味。
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_2015763.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_2015763.jpg)
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_20151895.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_20151895.jpg)
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_20153278.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_20153278.jpg)
●肝焼き
スッポンの肝の炭火焼。スッポンの体皮で作ったタレでいただきます。火の通りが絶妙。
●スッポンご飯
すっぽんの脂と醤油で炊いたご飯。動物系の脂の甘みを帯びた香りと旨味を楽しむ料理。
後に出てくる皮と肝の煮物とのマリアージュは最高。後を引く味。
●胃袋の炭火焼
スッポンの胃袋の炭火焼。香ばしく焼いた胃袋は、コリコリとした食感。
スッポンの体皮の脂と醤油作ったタレをチョイとつけていただきます。
●皮と肝のスッポン脂炒め
肝より皮ですね。皮がウマイ。スッポンの皮は、弾力があって、コラーゲンたっぷり。
スッポンの脂と醤油で炊いたご飯との相性は抜群。
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_20155972.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_20155972.jpg)
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_20161497.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_20161497.jpg)
●スッポンのコンソメ
スッポンの、エンペラ、首肉で取った贅沢なスープ。調味料は醤油だけ。スッポンそのものの旨味がストレートに味わえます。じんわりと美味しい。9品目にしてやっと「肉」が登場。それまでは、内臓系中心のお料理ばかりでした(^^)
●骨付き首肉、エンペラ、肩肉の煮物
身は、皮をきちんと取ってから使っているので、臭みがなく、スッポンの身のしっかりとした旨味が存分に味わえます。内臓もいいけど、骨周りの肉はうまいねぇ。骨の髄までちゅうちゅう吸っていただきました。
このあたりで 一升瓶が空いて、天狗舞の山廃仕込みに お酒がチェンジ。
●唐揚げ
スッポンの唐揚げにルコラとミニトマトが添えてあります。お肉が膨らむ瞬間にさっと取り出した絶妙な揚げ加減。濃厚な肉の旨味とルコラの苦味とのバランスが良く、美味しい。
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_20164197.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_20164197.jpg)
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_20165552.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_20165552.jpg)
●腿肉の塩焼き
スッポンの腿肉を塩だけで焼いてあります。中は綺麗なロゼ色。いい焼き加減です(^^)噛み締めるほどにじんわりと旨味が広がる、滋味溢れる味わい。シェフは、焼き物、揚げ物どれも火加減がウマイです。
●腿肉とサツマイモのロースト ローズマリー風味
ローズマリーとオリーブオイルの香り豊かな1品。腿肉の旨味、カリっと焼けたサツマイモの甘さとローズマリーの香りが良く合います。スッポンは油との相性がいいのですね。上質なオリーブオイルを絡めることで、後味も爽やかに。
●スッポン炒飯
スッポンと相性の良い黒米を使った炒飯。黒米はアルカリ性が高いので油脂系のものと相性が良いとのこと。味覚は化学なんだ・・・。
●スッポン雑炊
玄米餅と卵の入ったスッポン雑炊。玄米餅の香ばしさが、スッポンのエキスたっぷりのスープとこれまた良く合います。
・・・という訳で、この日いただいたお料理をおさらいすると・・・
![スッポンをくまなく堪能@小さなレストラン山猫軒[豊橋/愛知]_c0013687_2018030.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200803/31/87/c0013687_2018030.jpg)
*甲羅とアスパラガスの酢味噌和え
*卵巣の醤油漬け
*卵管・腸壁・肝の時雨煮
*スッポンのカラスミ
*肝焼き
*スッポンご飯
*胃袋の炭火焼
*皮と肝のスッポン脂炒め
*スッポンのコンソメ
*骨付き首肉、エンペラ、肩肉の煮物
*唐揚げ
*腿肉の塩焼き
*腿肉とサツマイモのロースト ローズマリー風味
*黒米のスッポン炒飯
*スッポン雑炊
*デザート
*日本酒:2升(菊姫 山廃仕込み、天狗舞 山廃仕込み)
スッポン料理だけで15種類。まさにスッポン尽くしですね。どういう部位をどういう風に調理したか、シェフに色々とお話を聞きながら、4時間近くかけて、一つ一つのお料理を楽しませていただきました。ルコラ、オリーブオイル、ローズマリーなどのイタリアンの素材とスッポンが合うなんて意外でした。奇をてらう訳ではなく、スッポンの旨味を良く引き出していて、感心しながらいただきました。それにしても、ホント良く食べました。苦しい~。しかも飲みスギ。スッポンは、あらゆる部位が、こんなに色々な調理法で楽しめる素材だったのですね。知らなかった。どのお料理も臭みがなく、穏やかで優しい味わい。これも良い素材を良い状態で入手して、下処理を丁寧にされているからなんでしょうね。シェフや集まった仲間との語らいも楽しい休日の午後でした。