
金沢の夜。金沢駅前の「ふらっと通り(別院通り)」にある、居酒屋「こいで」に向かいます。若いご夫婦2人で営む、カウンター席8席、小あがりに座卓3つの小さな店ですが、日本酒と焼酎の品揃えと、旬の食材を使ったメニューの豊富さが評判。
吉田類の酒場放浪記でも紹介されたこともあり、訪れるのを楽しみにしていました。
お店に入るとカウンター席にさりげなく鎮座しているハモンイベリコの塊に驚かされます。本当に、色々あるんですね。大将が釣ったという天然岩魚、山女魚、旬の魚の刺身、塩焼き、揚げ物、煮物、野菜料理から、馬刺し、鴨、鶏、羊、イベリコの炭火焼等々が、黒板にぎっしり書き込まれ、その他のお薦め料理が壁にペタペタと貼り出されていて、もう何をどう頼んでいいか迷ってしまいます。お酒の方も然り。店の棚には、森伊蔵、村尾などの超町人気銘柄が並び、厨房の冷蔵ケースには、十四代、田酒、黒龍、磯自慢、九平次などの銘酒から、手取川などの地酒が揃い、ボトルを眺めているだけで楽しくなります。
*キジハタ刺身
*シマエビ刺身
*サンマ刺身
*水茄子
*やっこの酒盗のせ
*イワシの塩焼き
*万願寺ししとうの焼き浸し
*ドジョウの天ぷら
*モロッコインゲンの天ぷら
*日本酒:
手取川 (吉田酒造店)
◆シマエビ刺身
近江町市場で気になっていた食材の1つ。名前の通り、殻がシマシマ模様の海老。ふっくらとした身は甘く、頭を割ってチュルチュル吸って食べるミソは、ほんのりとした海の香りとともに濃厚な旨味たっぷり。
◆キジハタ刺身
こちらはポン酢醤油でいただきます。身は白く、締まりがあり、上品で優しい味わい。
◆サンマ刺身
今年初のサンマです(^^) 薄くスライスしたものに細かく刻んだ細ネギと大葉をたっぷり散らしてあり、生姜醤油でいただきます。脂ノリノリで、刺身を醤油に付けた瞬間、さっと脂が広がるのがわかります。
◆水茄子の刺身
冷やした水茄子を生で食べる。生のまま食べる茄子、地域によっては御馴染みの味かもしれませんが、私は初めていただきました。これが案外、いやとってもイケマス。しゃきっとした歯触りと、瑞々しい自然な甘さが、なんともいえない素朴な美味しさ。名古屋にも売ってないかなァ。切るリだけで格好の酒の肴になりそう。


◆やっこの酒盗のせ
冷奴に鮪の酒盗が乗せてあります。酒のアテの定番。
◆万願寺シシトウ
万願寺シシトウは、空豆の房のように大きくて、辛くないのが特徴。鉄板とバーナーを使ってじっくり焼いたものに、出汁醤油をかけて、焼き浸しにしてあります。ジューシーで甘みがあります。
◆イワシの塩焼き
今が旬のイワシ。昼のクルクル鮨でも抜群に美味しかったイワシ。炭火でじっくり時間をかけて焼いてくれました。こういう時、どうなるかというと、身は譲り合って、内臓の取り合いに(失笑)。この内臓が、苦みと臭みが全くなくて甘いの。新鮮なイワシの内臓ならでは。


◆ドジョウの天ぷら
小さなドジョウをカラリと揚げた天ぷらがこんもりと盛られて出てきます。この分量が嬉しいですね。サックサクのパリパリで、ほんのりとした苦味に、すっきりとして華やかな味わいの手取川と良く合います。
◆モロッコインゲンの天ぷら
新鮮な野菜の揚げたての天ぷらは文句なしに美味しい・・・って、私、ウマイとか美味しいの連発ですね。語彙不足を痛感(汗)



ここはいい店ですね。お通しの、枝豆の塩茹でからして、抜群の良さなんですもの。もう、何頼んでもハズレはないような気がします。これだけ豊富なメニューをよく大将1人で作っていくなァ・・と感心してしまいます。お酒や料理のお品書きに値段の表示はないので、初めての場合は、ちょっと戸惑うかもしれませんが、大将に聞けば教えてもらえますし、値段は総じて良心的。今回も、想定の範囲内。人気店なので訪れる場合は予約が必要。この日も、何組ものお客さんが、お店を覗いては残念そうに帰っていく姿が見られました。普段着で、美味しい料理とともにお酒を楽しみたい人にお薦めの店です。
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● こいで (居酒屋)
住 所:金沢市笠市町5-7
電 話:076-221-5190
最寄駅: JR「金沢」駅から「ふらっと通り」を徒歩5分
備 考:現金のみ 要予約
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