桜満開、春爛漫となったにも関わらず、我が家の燗酒ブームは継続中。
先日、長野の
武重本家酒造の蔵開きの際、気に入って買ってきたのがこちら。長野の澄み切った空気と蔵元独特の雰囲気の中で飲んだから美味しかっただけかなぁ・・・いや、そんなことはない・・・不安と期待が入り混じる中、開栓。
●牧水 きもと純米
武重本家酒造は長野県佐久市の旧中山道茂田井間にある、昔ながらの「生もと造り」にこだわる小さな蔵元。毎年春分の日は、恒例の蔵開きがあり、甕出しのお酒の試飲や、限定販売酒を目当てにやってくる日本酒ファンで賑わいます。ここで造る20数種類の日本酒を試飲した中で特に気に入ったのが、この「牧水 きもと純米」。
まずは、冷や。香りはさらっとしているけれど、口に含むと、ふくよかで丸みのある旨味がじんわりと広がります。コクがあってキレも良く、すいすいと盃が進みます。
人肌燗で。この酒は燗ですね。燗が旨い。燗すると、焦げた水飴のような芳ばしい香りと甘さが、ほにょーんと広がります。口当たりは柔らかで、味にふくらみが出る感じ。旨味はしっかりあるんだけど、自己主張し過ぎることなく、へにゃーとしたゆるゆる感たっぷりなところが魅力。優しいけれど味の濃い料理に負けない強さがあり、我が家で家庭料理を肴に晩酌するには調子が良い。信州味噌のような塩気のしっかりとした味噌を使った料理との相性も◎。このところ「義侠」といい「隆」といい、インパクトの強いお酒を飲み続けてきたせいもあり、このへにゃらら感がたまらなく心地良い。上燗だと魅力が薄れるので、人肌よりややぬるい日向燗で飲みたい。結構、お気に入り。