11月25日(土) つづき
今回の道東旅行の企画、こちら
GUSTORAさんへの
再訪への願望が、かなりの原動力となっています。ここは、バスク地方で修行された安藤シェフが営むフレンチレストラン。1年ぶりの再訪ですが、この1年の間にさらにバスク色がさらに色濃くなった印象。シェフの作る料理の確かな味、ホスピタリティーに揺るぎなく、コスパの高さには脱帽。
バスク料理を食べるだけの為に釧路へ・・・これ充分、アリです。
大きな黒板に書かれた本日のメニューの1品1品をシェフ自ら説明してくれます。旬の真ダチ、産真ガレイ、生牡蠣、蝦夷鹿、生ウニ、シャラン鴨等々を使った料理は、どれも魅惑的。大いに悩んだ挙句、バスク色の強いメニューを中心にしたオーダーにしました。
*食前酒:シェリー酒
*昆布森産塩水ウニのウッフ・ブルイエ
*バイヨンヌ産の生ハム ギンディーリャ添え
*蝦夷鹿のロースト 香草風味
*フロマージュ:PETIT AGOUR
*デザート ヌガーグラッセ
*エスプレッソ
*ワイン:Irouleguy “Cuvee Bixintxo”2000 (Domaine Ilarria)
●アミューズ・グル
ピンチョス3種の盛り合わせ。彩りもきれい。サラミにシェリーが進みます。
●アミューズ
熱々の稚魚のオイル・フォンデュー。唐辛子の産地で有名なバスク地方
Espelette村産の唐辛子Piment d'Espeletteを添えていただきます。アミューズにしてはしっかりしたポーション。ウナギの稚魚&Espeletteは、バスクで定番の組合せなのだとか。ニンニクとEspeletteの香りが食欲をそそそります。Espeletteは、普通の唐辛子のような強い辛さはなく、香りの良さと風味が特徴。甘みもあり、辛さは後からほのかにピリっとくる感じ。残ったオイルは、パンにつけて食べても美味しい。本日のワインとの相性も◎
●Irouleguy “Cuvee Bixintxo”2000 (Domaine Ilarria)
Domaine Ilarriaは、フランス南西部:バスク地方のワインの産地Irouleguyの作り手です。Tannat100%の「Cuvee Bixintxo」は、良作の年だけに造られる銘柄。名前の「Bixintxo」は、バスク地方の守護聖人ヴァンサンのバスク語読みだそうです。
色は深みのある黒い赤。熟した果実、ミネラル、ビターオレンジ、樽の香りがします。Tannatらしいしっかりした渋みと、ドライフルーツのような甘さのバランスが良い、しっかりとした骨格の飲み応えのあるワイン。ハーブや香辛料を使った料理との相性は◎
●昆布森産塩水ウニのウッフ・ブルイエ
「昆布を食べて育ったウニ」という説明に惹かれて。塩気を加えていない冷たいスクランブルエッグを覆い尽くす程に、釧路の昆布森産の塩水ウニがたっぷり盛り付けてあります。磯の香り豊かでコクのある濃厚なウニの塩気と旨みで卵を食べるという贅沢さ!スクランブルエッグと一緒に食べるとまったり感が倍増。ワインは白のグラスに変えて。
●ジャンボン・ド・バイヨンヌ ギンディーリャ添え
こちらは相棒のチョイス。バイヨンヌ産の生ハムに、普通のピクルスではなく、Guindillas(ギンディーリャ)というバスク産の唐辛子の酢漬け(ピクルス)を添えてあるところが、バスク風。ハムは、フランス産のハムらしい旨みがあり、とても美味しかったそう。
●蝦夷鹿の香草風味、さつま芋添え
3日前に獲れた蝦夷鹿のロースと腿。ジビエらしい臭みがなく、フレッシュな優しい感じの肉なので、濃いソースを合わせるのでなく、軽くローストして香草を効かせた仕上げにしましょうというシェフの提案で作っていただきました。鮮やかなルビー色に輝く腿肉のスライスとロースの塊が、2種類のさつま芋をローストしたものの上にたっぷり盛られ、ルコラ、La Force Basqueという調味料を散らしてあります。甘くてピリッとした香辛料の香り、さつま芋の甘さと芳ばしさが、鹿肉に良くあって、野性味あるルコラの苦味がアクセント。鹿肉を存分に味わえました。
●PETIT AGOUR
バスク地方のManech(マネック)種の羊のミルクから作ったセミハードタイプのチーズにEspelette村産の唐辛子ジャムが添えてあります。これがまた抜群の相性で、チーズにジャムと合わせることで劇的な変化が起こります。ミルクの甘みが2乗にも3乗にも広がり、口一杯にミルキーを詰め込んだような濃厚な甘さに変わるのです、もうびっくり。
●Irouleguyのマール
食事を終えたところへ、シェフが満面の笑みで持ってきて下さったのが、マールのボトル&グラス。マール好きなこと、覚えてくださっていたんですね(^^) お店のサイトの
Diaryで紹介してあり、とっても気になっていたIrouleguyのマール、まだちゃんと残ってました。嬉しい。ガツンとしたインパクトのある香りが素晴らしく、飲んだ後の余韻の広がりも素敵。マールのラベルや箱に書かれた風景は、シェフのお気に入りの場所なのだとか。バスク地方の写真集を見せていただきながら、ゆったりと食後の余韻を楽しみました。
●デザート
・・・忘れてはいけません。最後にデザートが待っていました。ドライフルーツ、ナッツ、チョコレートたっぷりのヌガーグラッセにフレッシュ苺と飴細工の飾りをトッピングしたお洒落で濃厚な一品。最後の最後まで手を抜かず、しっかり食べさせてくれます。
今回も予約時にメールや電話で色々とリクエストをしたのですが、こちらの希望以上に、地元産の旬の食材を揃えたメニューを用意して下さっていて、感激。お店に入った瞬間から、メニューの紹介、ワインの説明、料理、食後酒に至るまで、ホスピタリティーに満ちたもてなしをしていただきました。店の名前の通り「喜びに満ちた(バスク語でGustora)」時間を過ごすことができました。コスパの高さには、申し訳ないくらいです。名古屋-釧路便がなくなり、釧路のハードルがさらに高くなってしまったのですが(涙)、バスク料理を食べるだけのために釧路へ・・・いつかまたきっと!
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●GUSTORA(フレンチレストラン)
住 所:釧路市中園町2-8
電 話:0154-31-3635
備 考:要予約
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