羊乳チーズは今が旬。Casciotta d'Urbino(カショッタ・ドゥルビーノ)もその1つ。その名の通りイタリア・マルケ州のウルビーノ特産の羊乳と牛乳を混ぜて作ったチーズです。
*手前中央がCasciotta d'Urbino
ウルビーノは、アペニン山脈とアドリア海に挟まれたマルケ州の山あいの小さな町で、ルネッサンス画家のラッファエロの生まれ故郷として知られています。このチーズもルネッサンスの頃から作られ、今のように春の風物詩として親しまれていたそうです。色は淡いクリーム色。赤ちゃんのほっぺのような柔らかい肌触りとお餅のような弾力が特徴の愛らしいチーズです。食感はもっちりとしていて、噛み締める毎に羊乳特有のミルクの甘い香りミルクの旨みが口いっぱいに広がります。ハチミツと合わせると、ミルクの甘みがさらにグンと引き立ってなお美味しい。蜂蜜は柑橘系の花のものとの相性が○。
冬場に美味しくいただけるチーズは、熟成が進んで香りに癖があるもの、味わいがより濃厚なものが主流だったので、とても新鮮。ミルクの優しい甘味と香りには、やっぱり春の日差しが似合います。桜の開花予想が発表されたばかりで、まだちょっと気が早いかもしれないけれど、花見酒(ワイン)のお供にどうかしら・・・なんて思ってしまった私でした。