カスレ(Cassoulet)は、白いんげん豆を、鴨や鶉や羊、豚、ソーセージなどの肉と一緒に煮込んだフランス南西部・ランドック地方の名物料理。相棒のリクエストで年末に初めて作ったのですが、思ったより簡単で、想像以上に美味しく出来たのに気を良くして、再挑戦! 使うお肉は、前回は
羊・豚主体でしたが、今回は、主に鴨・鶉を使って作ることにしました。お肉は
グルメミートワールドでお取り寄せ。名古屋では手に入らなかったグース・ファット(ガチョウ脂)の入手先を探している時に、見つけたサイトです。
●CASSOULET (カスレ)
①白いんげん豆をたっぷりの水で24時間かけて戻す。
②白いんげん豆を2回茹でこぼしてから、4つ割りしたにんじん、グローブを刺した玉葱、
ニンニク・塩・ブーケガルニと一緒に柔らかく煮て、ざるにあける。
③ガチョウ脂で鴨・鶉・ベーコン・豚の順に焼き、玉葱とニンニクの微塵切りを炒める。
④大鍋に肉、炒めた玉葱・ブーケガルニ・ホールトマトを入れ、ブイヨンで1時間煮込む
⑤白いんげん豆を足し、さらに1時間煮込み、塩・胡椒で味付けする
⑥穴あきお玉で⑤をすくいグラタン皿に入れ、焼色をつけた生ソーセージをのせ、
パン粉を降り、ガチョウ脂を落とし 210℃のオーブンで15分焼いたらできあがり。
レシピは「お鍋でごちそう 煮込みとスープ」(脇 雅世著)を参考にしています。今回は、レシピ通り、お肉を焼く時、仕上げにオーブン焼きする時に欠かせないグース・ファット(ガチョウ脂)を使って作ってみました。火を通した時の香りがなんとも独特。脂にコクと旨味があります。グースファットの威力なのか?骨付き鴨&鶉の底力なのか、CASSOULETが格段にグレードアップした感じ。じわじわっと旨いです(^^) 本日のワインとの相性も抜群です。
という訳で今夜の献立は
*ニンジンとリンゴのサラダ
*カスレ
*チーズの盛り合わせ
*Chateauneuf du Pape (Maison CLAVELIER 82)
●ニンジンとリンゴのサラダ
我が家の食卓で登場する頻度が高いニンジンサラダ。レモンを効かせたり、タイ風に甘酸っぱ辛くしたり、ガーリックオイルを使ったり、ドライフルーツやパイナップルと合えたり・・・と色々アレンジし易いのも魅力。今回は、肉と脂がしっかりした料理なので、ドライフルーツの入った甘酸っぱいものに、リンゴと胡桃を添えてみました。
●Chateauneuf du Pape(Maison CLAVELIER 82)
今夜のワインは、私の大好きなChateauneuf du Pape、作り手は、ヴォーヌ・ロマネの名門ドメーヌ:CLAVELIER(クラブリエ)です。何度か飲んでいるはずなんですが、グラスを近づけた時の香りからして、格段に違うので、ラベルをよくよく見たら、1982年でした!こりゃ美味しいはずです。
相棒君の愛情を感じます。ありがとうー!! さて、本日のChateauneuf du Pape、色はきれいなルビー色。なめし革、土っぽさ、湿った落ち葉、きのこ、黒い果実を思わせる香りが溶け込んだ芳香にうっとりします。あぁ素敵。果実実が豊かで味にしっかりとした骨格はあるのですが、優しさ、柔らかさを感じる、円熟味のある枯れた美味しさ。しみじみと胃に染み入ります。熟成を経てこういう変化を遂げた Chateauneuf du Pape に出会ったのは今回が初めて。鶉を使った料理との相性は良く、今回のカスレともとっても良く合います。ここ最近飲んだワインの中では、際立った美味しさ。今まで飲んだChateauneuf du Papeの中でも3本指に入るかも。幸せです。
●CASSOULET (カスレ)
本当に豆を美味しくいただく料理ですね。可愛そうなくらい崩壊してしまった鶉ちゃんですが、その旨味はしっかりと豆が吸ってくれています。旨いです。羊のようなパンチはないけれど、上品で深みのある味に仕上がりました。じっくり煮込んだ鴨も美味しいですね。お肉もしっとりしているし、煮汁に充分コクもありますし、オーブンで焼き上げる時にグースファットを落とすことで脂の香ばしい旨味も加わるのでので、必ずしも豚を使わなくても良いかもしれません。ベーコンの変わりに鴨の燻製ハム、豚スペアリブの変わりに、鳩やホロホロ鳥などを使って、「家禽類一色」のカスレ・・・というのも美味しそう。次回はこれで行きましょう。(←すっかりヤル気)問題は、生ソーセージ。これだけが
グルメミートワールドでも入手できないのです。クリスマス前だと名古屋のデパートでも入手できるのですが、普段は扱いがないらしい(涙) 当面の課題は、生ソーセージ探しかな。どこかで売っていないかしらん。
●チーズの盛り合わせ
長野の
清水牧場のチーズを中心に。このチーズ工房は、北海道の
酪恵舎を訪ねた時に、ご主人に教えていただいた工房の1つ。いつか訪ねてみたい・・・と思っていたら、丸栄の<プティ・プレリ>でたまたま扱っているのを見つけました。
山のチーズ・・モンドールに雰囲気の似たセミハードタイプ。フライパンで焼くとお肉のような匂いがします。火を通したほうが旨味が引き立つ感じ。
森のチーズ・・ウォッシュタイプ。ちょっと若かったけれど熟成したらさぞ美味しいだろうと思わせる力のあるチーズ。
ミモレット・・・熟成期間の短い若いタイプなので、カラスミのようなコクはなく、ミルクの甘みがストレートに伝わる感じ。これはこれで美味しいけれど、熟成したものの方が好み。
ペライユ・・・フランス南部ルエルグ地方の羊乳のチーズ。熟成状態が良く、柔らかくて香りよい白カビの中はとろっとろ。羊乳独特のねっとりとした甘みとコクがあって美味しい。クリーミーなので一見食べやすそうですが、独特の獣臭さも持ち合わせており、ヒトクセあります。好み(^^)v
ネットリとした肉の旨味を存分に吸ったこの豆のお料理、今回はたっぷり作ったので3晩連続で楽しめました。ちょっと少な目かな・・・くらいの分量で充分お腹にどっしりきます。ワインも、南仏はもちろん、ブルゴーニュのものでも合いますし、サラダをルッコラなどの苦味のあるハーブ葉野菜にさっと塩胡椒しただけというのものや、パリパリのレタスにトマトにビネガーとオイルをさっとかけたものなどに変え、ランチマットを変えるだけで、雰囲気も変えられます。残った煮汁を利用してカレーを作っても美味しい。我が家風の味を極めたい。
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お鍋でごちそう 煮込みとスープ (脇 雅世著)
寒い冬の季節にぴったりのフランス家庭料理を身近な素材で簡単に作れるようアレンジしたレシピ本。紹介してあるのは、ブフ・ブルギニヨン、ポトフ、グーラッシュ、オッソブッコ、カスレ、ラタトゥーユ、クラムチャウダー、ミネストローネ、オニオングラタンスープ、ブイヤベース等々・・・どれも田舎のビストロで出てくるような素朴で気取りのないお料理ばかり。普段作っているフランス風のお料理は、ここからスタートしました。特別なテクニックがなくても失敗なく作れるように手順をまとめたところが素敵。作り重ねて少し余裕ができてくると、素材をアレンジしよう、手順にもう一手間加えよう・・・自然とより本格的な作り方への意欲が湧いてきます。最初のステップとしてお薦め。
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