対馬は和多都美(海神)の国で、数十箇所の和多都美の社があります。その中でも圧倒的な存在感を誇るのが仁位の和多都美神社です。
●和多都美神社
仁位の和多都美神社は、浅茅湾の奥の海宮の浦にあります。御祭神は、彦火火出見尊と豊玉姫命で、古くから竜宮伝説が残されています。
本殿から海の中へと続く参道には
5つの鳥居がまっすぐの軸線上に並んでいて
そのうちの2つの鳥居は海の中にあり、潮の干満により、表情が刻々と変わり、幽玄で神秘的な雰囲気をたたえています。
三の鳥居から海側を望む。
三の鳥居から、社殿の方向を望む。三の鳥居と四の鳥居の間を車道が横切っています。
和多都美神社でもうひとつ印象に残ったのが、磐座を取り囲むように3つの柱を立てた「三柱鳥居」。美しい三本の鳥居が豊玉彦命の墳墓を守っています。
社殿の北側の海水の入り込む潮溜まりにある三本鳥居には、安曇磯良(アズミノイラ)の墓との伝承がある「磯良恵比寿」が祀られています。
磯良は海神の裔で、海路にくわしく、神功皇后の三韓征伐のとき、水先案内をつとめたという。・・・この磯良が、原初の海神に違いない。(永留久恵『対馬古跡探訪』より)
韓国人観光客にも人気のスポットで、観光バスが次々と乗り付けていました。
私が訪れた時は、駐車場脇にこの神秘的な空間に不似合いの韓国人経営(おそらく)のカラフルなフードトラックが横付けされていました。暑さのあまり「氷」の誘惑に負け、フラフラとカキ氷に涼を求めた私でありました。
●烏帽子岳展望台
神社の鳥居の間を抜ける車道を上がっていくと、烏帽子岳の展望台があります。展望台の螺旋状の階段を登りきると浅茅湾を一望できます。360度の大パノラマは、見応えアリ。