2日目(11月22日)
近江八幡では念願の
水郷めぐりを満喫。色々な会社が、色々な
ルートを運行していますが、我々は、司馬遼太郎が『街道をゆく 近江散歩』の取材旅行で訪ねた北之庄沢を和船でめぐるルートを選択しました。(下図中央のピンク色のルート)

まずは、近江八幡駅から「長命寺行き」のバスに乗って、「豊年橋和舟乗場」で下車。
近江八幡和船観光協同組合さんが運営する舟のりばはすぐわかります。

茅葺屋根の待合室で名前を書いて乗船申込みとお支払いを済ませます。(大人1人2160円・・2015年11月現在)


水郷めぐりの定期便は4月から11月末までの期間 10時と15時に出航。

定刻の30分前には、1艘分の定員10名が揃ったので、船頭さんが早めに舟を出してくれることになりました。臨機応変なところがいいですね。

座布団と綿入れが用意された屋形舟に順番に乗り込みます。

船頭さんがゆっくりと櫓を漕ぎ出し、舟は細い水路をゆらゆらと進んでいきます。

北之庄沢に出ると天照大神が降臨されたという観音寺山(繖山きぬがさやま)が。

司馬さんが『街道をゆく 近江散歩』で訪れてから30年以上経ちますが、今なお水郷のヨシは健在。

湖岸にはヨシの群生が広がっています。舟は水面に近いところを進んでいくのですが、ヨシが風を遮り意外と温かい。

湖岸のヨシに産卵する鰻やニコロブナを捕まえる伝統的な漁具「タツベ」が、ところどころに仕掛けてありました。

しばらく行くと目の前がすっと開けます。

そして春は桜の名所となるお堀へ。桜の季節になると、お堀にかかる橋の上は、桜と和舟が撮影できる格好のフォトスポット。

前方に見える木の橋は、『剣客商売』『暴れん坊将軍』『鬼平犯科帳』『るろうに剣心』などの時代劇の撮影に何度も使われている時代劇ファンおなじみのロケ地。

船頭さんは、手は櫓を操りながら、四季折々の水郷の情景や、水辺の生物や植物の生態について、丁寧に解説してくれます。

櫓で水を切る音や、鳥の鳴き声を聞きながら、舟に揺られ・・・。やっぱり手漕ぎ舟は風情があっていいですね。
よしのはえた水面をわけてゆくという遊びは、むかしからあったそうである。・・・むかしはこういう舟あそびを「舟ゆき」といったそうである。福永さんによると、豊臣秀次も「舟ゆき」をして遊んだという。(司馬遼太郎『街道をゆく 近江散歩』より)
私どもは、枯れよしの幕に舟の右舷をこするようにして進んでゆく。(司馬遼太郎『街道をゆく 近江散歩』より)
これはサギかな?カイツブリはどこだろう?

琵琶湖は別名「鳰の海(にほのうみ)」で、この周辺は、鳰=カイツブリの名所。『街道をゆく 近江散歩』の中で、司馬遼太郎は、カイツブリの姿を探し、松尾芭蕉が近江で詠んだ鳰の句を思い出しています。

紹介されたいた芭蕉の句をいくつか。
五月雨に鳰の浮き巣を見にゆかむ
かくれけり師走の海のかいつぶり
四方より花吹入て鳰の海
舟は再び北之庄沢を経て、舟のりばのある豊年橋へと戻っていきます。

ひとときの非日常を味わった水辺での80分でした。

私たちが乗った定期便(予約不要)が運行するのは4月から11月までですが、貸切舟(要予約)は通年営業していて、お食事の手配などもしてくれるそうです。桜は3月下旬には咲き始めるから、舟上から桜を愛でようと思ったら舟を貸しきるしかないのかしら。贅沢。でも、その優雅さが舟遊びの醍醐味なのでしょうね。夢のまた夢。