5日目(2015年4月21日)
この日はお天気が良くなりそうだったので、NYの政治・経済の中心地であるLower Manhattanへ出かけることにしました。

地下鉄「59th Columbus Circle」駅から地下鉄1線で約20分、マンハッタンの最南端・Lower Manhattanに到着。ここは、マンハッタンに入植したオランダ人が最初に開拓したエリアです。
●ウォール街
世界の金融の中心となっている「ウォール街」の名前は、マンハッタンをオランダ人が支配したニューアムステルダム時代、先住民の侵入を防ぐために築いた防壁(ウォール)に由来。

ウォール街の先に佇むのが、ニューヨークで最も古いトリニティ教会。
「私は、はじめてニューヨークにきたとき、この教会がマンハッタンの初期の象徴のようにおもえて、何度も鉄柵ごしに教会をながめた。」(司馬遼太郎著『街道をゆく ニューヨーク散歩』より)
テレビのニュースでお馴染みのニューヨーク証券取引所

アメリカの自由と人権の象徴で、アメリカ合衆国最初の国会が開催されたフェデラル・ホール(Federal Hall)

歴史的建造物が立ち並ぶエリアのすぐ北側の公園には、NY市庁舎。

桜咲く公園には、野生のリスの姿も

公園南のAnn Street とBroadwayの交差点から見たワン・ワールド・トレード・センター(1WTC)。
●グランドゼロ
2001年9月11日の同時多発テロによって崩壊したワールドトレードセンターのツインタワーの跡地(グランドゼロ)には、巨大な噴水のようなプールが2つ(ノースプール、サウスプール)作られ、亡くなった人の名前を刻んだ囲いの所々にはバラの花が手向けられていました。

2014年に開業したワンワールドトレードセンター。展望台が、この
5/29にオープンするようです。物凄い行列になるんだろうな。
●Staten Island Ferry
ロウアー・マンハッタンの散策後、フェリーターミナルへ。
Staten Island Ferryで、自由の女神を見に行くことにしました。Staten Island Ferryは、観光船ではなく、スタッテン島からマンハッタンへの通勤用に無料で運航するフェリー。乗客の多くは、通勤・通学の利用客ですが、自由の女神の近くを通るので、観光客にも人気。

通勤時間帯以外は30分に1本程度の割合で運航していて、片道25分。我々は船上から、自由の女神を拝むことにしました。

片道25分の旅に出発!

乗船したら、まずは進行方向右手のオープンデッキでポジション取り。

数分程で自由の女神が視界に入ってきます。

映画『ゴッドファーザー PartⅡ』で、移民船がニューヨークのエリス島に到着し、貧しい移民たちが甲板から万感の思いで見上げていたのは「自由の女神」でした。映画の中で自由の女神は、移民たちに新たな希望の光を見出すアメリカの象徴として描かれています。

天然痘の疑いでエリス島の収容所に入れられた9歳のヴィート・コルレオーネ(オレステ・バルディニ)。ガラス越しに自由の女神を見つめています。

船は完全入替制なので、島に到着する前あたりからが慌しい。下船したら、すぐさま船乗り場へ移動し、数分後に出航するフェリーになだれ込むように乗り換えます。

映画『ワーキングガール』で、ヒロインのテス(メラニー・グリフィス)は、このフェリーに乗ってマンハッタンへ通勤していました。

自由の女神の横を通ってマンハッタンを目指すテスの姿は、アメリカンドリームを象徴するかのようでした。懐かしい。

船が、マンハッタン島に近づくにつれ、高層ビル群が迫ってきます。この風景を見て、司馬遼太郎の言葉を思い出しました。
「マンハッタン島はニューヨーク市の都市機能を軍艦の主要部のように満載している」(司馬遼太郎著『街道をゆく ニューヨーク散歩』より)
そして港へ。右手にブルックリンブレッジも見えます。海からアプローチすると、マンハッタンが島であること、街が海から見た姿を意識した作りになっているということに、気付かされました。この船旅、お薦めです。

Lower Manhattanでの2時間余りの散策でした。