津軽と言ったら、岩木山。今回は、岩木山が綺麗に見える、ビューポイントを念入りに調べて、臨んだのですが、あいにくの雲空が多く、空振りの連続でした(涙)
●弘前城
天守の最上階から眺める岩木山の美しさについては、司馬遼太郎が『街道をゆく 北のまほろば』の中で、次のように書いていました。
「天守閣を見るよりも、台上の西北が広かつに展開していて、吸い寄せられるように天を見ざるを得なかった。その天に、白い岩木山が、気高さのきわみのようにしずかに裾をひいていた。息をのむ思いがした。」空は、山の気配すら隠してしまう程に分厚い雲に覆われいました。まるでダメ。築城当時、5層の天守が建てられた天守台跡には、天気が良い時の写真パネルが展示してあります。岩木山がこう見えるハズでした。
弘前城の外濠の北東角では、水面に映った姿も同時に愛でられるポイントだそうですが、
見えたのは、小鴨ちゃんたちだけ。
●長勝寺
映画にもなった小説『津軽百年食堂(森沢明夫著)』で、さくらまつりの前に弘前に里帰りした主人公が、真っ先に、長勝寺の三門の右手奥の高台へ向かう場面があります。
僕は思わず叫びだしたくなった。いよいよ、本当に、弘前に帰ってきたんだ-その実感が、一気にこみ上げてきたのだ。鉄柵の向こうは、絶景だった。眼下に弘前の街並が広がっていて、そして、街並のずっと先には、この街のシンボルともいえる岩木山が蒼々とそびえたっているのだ。この岩木山を見た瞬間、僕の内側でバラバラだった「ふるさと」というパズルのピースが一気につながったように感じて、気分がパッとはじけるみたいに高揚した
●天満宮
禅林街の外れにある天満宮も周って見たのですが、この日は、空全体が雲に覆われていて、主人公の高揚感を体感することができませんでした。
●岩木山神社
鳥居の上に、岩木山の山頂が見えたら、素敵だったのに。
●田舎館村
田んぼアートを俯瞰する、役場横の文化会館の展望台からも、この通り。
今回の旅では、弘前から黒石へと向う車窓から、一瞬その姿が見えただけでした。
頭に雲をかぶった岩木山が薄っすら見えるだけですが。
あとは、マンホールに描かれた岩木山とか・・・。
晴れていても夏は雲が多くて、岩木山ウォッチャー泣かせの空模様。弘前城のボランティアガイドの人にも、嶽温泉のご主人にも、7月で岩木山が綺麗に見えたのは、梅雨明けした日だけだった・・・と慰めていただきました。春か、秋に、出直しです。