昼間は、たらふくうどんを食べたのに、夜はやっぱり、ちょっと飲みたくなります。訪れたのは、瀬戸内海の魚と郷土料理を出す「
遊」です。
場所は、三越の東側の静かな裏通り。紺色の暖簾をくぐって店内へ入ると、地元の常連客で賑わっていました。店は、左手がカウンター席、右側が小あがりになっていて、カウンターには、季節のおばんざいを盛った大皿が並んでいます。お品書きを書いたホワイトボートには、刺身、焼き物、揚げ物、煮物にお薦めの魚がそれぞれ書いてあります。
*日本酒:
金陵讃水山海 4合
*土筆の卵とじ
*ヌタ和え
*刺身盛り合わせ
*キスの塩焼き
*朝捥ぎのいちご
さて、どれを頼みましょうか・・・と迷う間もなく、女将さんが「土筆の卵とじ」と「ヌタ和え」を小鉢に取り分けてくれます。「飲み物は?」「お酒を燗で飲みたいのですが」「地酒で燗なら、これがいいかしらね」と薦めてれたのが、琴平の地酒「金陵」の「讃水山海」。「それでお願いします」「温度は?」「温めで」。あれよあれよという間に、酒と小鉢が揃いました。スタートはテンポ良く、あとは、の~んびり。
●土筆の卵とじ
今シーズン初土筆。ちょっぴりほろ苦い春の味。いいですね。
●ヌタ和え
讃岐の代表的な郷土料理の一つがぬた和え。酢味噌で和えたネギのヌタには、小女子がトッピング。こちらも春を感じさせる味わい。
●刺身の盛り合わせ
刺身は単品でもらおうと思ったのですが「少しずつ色々食べて欲しい」と女将。1人前を盛り合わせてもらうことにしました。サワラ、タイラギ貝、タケノコメバル、サヨリ、フグ、タコが数切れずつ。これに蕎麦の貝割れを添えてあります。お刺身はお薦めするだけあって、どれも新鮮で、甘みが濃厚。特に良かったのは、サヨリとサワラ。サワラは腹の部分はそのままで、背の部分は皮を焼〆にして・・・と丁寧な仕事がなされているのが嬉しい。
●キスの塩焼き
こんなに立派なキスを食べたのは初めて。皮はパリっと中はふっくらという絶妙な焼加減。しばらく待った甲斐があったというもの。満足至極。
お会計をお願いしたら、「朝もぎのいちご食べてって」とイチゴが出てきました。普段、スーパーで買って食べるイチゴとは味の濃さと香りが全くの別物。この日一番の驚きだったかも。
ここは、気取りのない讃岐のおばんざいと、新鮮な瀬戸内海の魚が気軽に楽しめる居酒屋さん。料金表はないけれど、お値段はいたって良心的。女将さんに、その日のお勧めの食材や調理法をあれこれ相談しながら、注文するのが良さそうです。胃袋の状態に合わせて1皿の分量も加減してくれるのも、讃岐うどん巡礼客にはありがたい。この日は週末とあって地元の家族連れ客らで大賑わい。訪れる際は、電話予約をした方が無難かも。ご馳走様でした。
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●遊 (郷土料理)
住 所:高松市内町6-3
電 話: 087-823-0377
最寄駅:JR「高松」駅、コトデン「片原町」駅
備 考:三越の東側の裏通り
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