1日目 つづき
●高田屋嘉兵衛銅像
司馬遼太郎の小説。淡路島出身の商人「高田屋嘉兵衛」の生涯を描いた「菜の花の沖」という作品があります。高田屋嘉兵衛は、北洋漁業の先駆者となり、国後島・択捉島の航路や漁場を開発。函館の発展の基礎を築いたほか、ゴロヴニン事件という日露国家間の問題を、民間の立場ながら解決に導き、司馬遼太郎が「今でも世界のどんな舞台でも通用できる人」と称えた人物です。
高田屋嘉兵衛の銅像は、函館開港100周年の記念事業として函館山のゆるやかな斜面となっている宝来町の一角に建てられました。
銅像は、ロシア軍艦ディアナ号にゴロヴニン船長を引き渡す場面に立ち会った嘉兵衛を再現。右手には松前奉行の諭書、左手には正装に着替えた際に脱いだ衣装を持っていて、帯刀しています。銅像の前には、 日本とロシアの友好を記念する石碑も建っています。
この日は、嘉兵衛の功績を讃える「函館高田屋嘉兵衛まつり」の真っ最中。
高田家の墓がある称名寺の住職の読経の中、参列者が献花。続いて、花泉舞衛社中が「
高田屋嘉兵衛まつり音頭」などの舞踊を奉納していました。
●高田屋嘉兵衛屋敷跡
銅像のすぐ近くには、高田屋嘉兵衛の屋敷跡の石碑が建っています。石碑には、高田屋嘉兵衛の功績が刻まれています。函館にとって、今も英雄なんですね。
●高田屋嘉兵衛資料館
市電の「十字街」駅からベイエリアに向う途中に、高田屋嘉兵衛ゆかりの品を展示する資料館があります。建物正面には高田屋の屋号が。
資料館内には、嘉兵衛の持ち船だった「辰悦丸」の模型が復元されているほか、北前船に使われた大福帳や望遠鏡、当時の生活用品や船具などが展示してあります。
函館での街歩きの合間のランチは、ラフな格好で、気軽に安く早くお食事できる、B級グルメ系のお店で。資料館のある、十字街界隈の飲食店の中で、事前にチェックしていたのがこちら。
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ラッキーピエロ・・・ご当地バーガー
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吉田商店・・・スープカレー
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小いけ・・・印度カレー
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来々軒・・・塩ラーメン
●来々軒
訪れたのは、昭和10年(1935年)創業の函館塩ラーメンの老舗「喫茶食事 来々軒」。
市電の通り沿いにありながら、そこだけ時間が止まってしまったような店構えは、レトロという表現を通り越しています。そして、ガラスケースには食品サンプル・・。渋すぎます。普通なら、絶対避ける展開。思わず怯んでしまいましたが、勇気を出して店内へ。薄暗い店内には、真っ赤なボックスソファーのテーブル席が並び、創業時はさぞかし、モダンな喫茶を兼ねた洋食屋さんだったんだろうなぁと思わせます。歴史を感じます。
そして、この店で頼んだのは、もちろん、塩ラーメンです。
銀色の四角い大きなお盆で運ばれてきた塩ラーメンは、透き通ったスープに、少し縮れた中細ストレート麺の組合わせ。具は、シナチク、薄切りのチャーシュー、刻みネギとシンプル。スープのお味は、しっかりしていて、いい按配に塩分の強さがある、嫌味のない味わい。少々柔らかめの麺といい、スープといい、田舎のばあちゃんが作ってくれたような、優しく、昔懐かしい、ラーメンでした。穏やかながら、1度食べたら忘れない。それが老舗の力なんでしょうか。時間の流れが止まった空間で食べる、昭和の味。いい思い出になりました。
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●来々軒 (ラーメン)
住 所:函館市末広町16-3
電 話: 0138-22-2803
最寄駅:函館市電「十字街」駅から徒歩3分
備 考:支払いは現金のみ 水はセルフサービス*""*""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*