1日目 続き
長い旅の末、松山へ!ホテルで一休みしたら、早速、夜の松山の街に繰り出します。

松山最初の夜に訪れたのが、飲食店が並ぶ二番町にある、昭和を思わすレトロな佇まいの居酒屋「小判道場」です。引き戸を開けると、厨房をL字で囲む年季の入ったカウンター席があり、左手奥が小あがりになっています。人の良さそうなおっちゃんとおばちゃん夫婦が温かく出迎えてくれます。ここは松山の地の魚と、松山の家庭料理を肴にお酒が楽しめるお店。県外からの客とわかると、おっちゃんとおばちゃんがあれやこれやと世話を焼いてくれるのが嬉しい。お2人とのやりとりを通して、この日のお薦めの中から注文することに。
*日本酒:梅錦
*お通し:茹でたジャコエビ
*鯖刺身
*おこぜの唐揚
*芋炊き
*煮魚(めばる)
*漬物





●お通し
席に座るとお箸と一緒にさっと出されたのが、地元でジャコエビと呼ばれる小海老を茹でたもの。殻ごとバリバリといただきます。
●鯖刺身
「きょうは真鯖のいいのが入っているよ」と声をかけてくれた大将のお薦めにしたがってオーダー。気前良く、ぶ厚く切ったものが出てきました。肉厚の鯖は、ブリブリの歯触り。適度に脂が乗っていて、ウマイ。
●オコゼの唐揚
ハギの薄造りにも惹かれたのですが、こちらは明日のお楽しみにして、この日の夜は、オコゼをいただくことに。丸ごと1匹をじっくりと揚げた、唐揚は、表面はパリパリ、中の白身はほっくりの仕上がり。熱々のところを、頭からバリバリといただきます。うわっ。ウマ過ぎる。私は皮、相棒は白身がお好み。喧嘩せずにすみました(^^ゝ
●芋炊き
おばちゃんが「芋がとろっといい感じになっているから、食べてみて~。でも1杯だけね。お腹一杯になって他のものが食べられなくなると困るから」といって出してくれたのが、愛媛の秋の風物詩だという「芋炊き」です。下茹でした里芋、大根、豚肉、油揚げ、椎茸、コンニャク、ニンジン、愛媛名物のじゃこ天などが入った具沢山の汁。香川のしっぽくに似てるかな。おばちゃんお手製の「芋炊き」は、よそ行きの味ではなく、親戚の家に遊びに行って「さぁ食べなさい」と出してもらったような、素朴で優しいお味。里芋の蕩け具合がたまらない。
●煮魚
隣客のメバルの煮付けが美味しそうだったので、我々も、追加オーダー。メバルは小ぶりでしたが、身が厚く、少しの濃い目の味付けで、さっと煮て出してくれました。添えてある熱々の豆腐と一緒にいただきます。
●自家製の漬物
魚が煮えるまでの時間の箸休めにと、おばちゃんがサービスで出してくれたのが、自家製のなすときゅうりの漬物。へにゃーと味が沁みた茄子の浸かり具合がいい感じ。「美味しいねぇ」と言ったら、糠床から、ナスが3本くらい出てきた。・・・うわうわ。「もっと食べて。サービスだから心配しないで」ともう1皿。「今の時期のナスはうまいんよー。私が漬けたの。食べてー。」と小上がりにいた客や、カウンター席にいる他の客にも大盤振る舞い。
ここは、ご夫婦で切り盛りしている、気取りのない、大衆酒場。大将とおばちゃんの人懐っこく、のんびりとした雰囲気が、店全体に行き渡っていて、初めて訪れた旅行客も、常連客のように寛いで、お酒を酌み交わせます。地モノの新鮮な魚を使った料理はどれも美味しく、お値段も驚くほどにリーズナブル。松山のこの場所で43年もの間、地元の人々に愛されていた理由がわかるような気がします。隣に居合わせた年配のご常連客。との会話も弾み、「坂の上の雲」のドラマの放送を前に盛り上がる松山の人たちの熱気に触れることができました。郷土に誇りを持っているって素敵ですね。楽しい時間を過ごすことができました。次に松山に来る時にも、まだお店が続いていますように・・・。
*""*""*"""*'""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*"""*
●小判道場 (居酒屋)
住 所:松山市二番町2-6-1
電 話:089-945-9927
最寄駅:伊予鉄市内線「大街道」徒歩3分
備 考:支払いは現金のみ*""*""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*