今月のとある日の夜、栄にあるフレンチレストラン
Le Chevalierで、結婚記念日のお祝いをしました。エレベーターのドアが開いて、お店に一歩入った瞬間から、日常を忘れて過ごせる、名古屋では数少ないレストランの1つ。もちろん、料理とワインは美味しく、チーズの揃えも抜かりなく、サービスも行き届いていて、気分良く、酔いしれる一夜となりました。
メニューは、2つのコースとアラカルトという構成になっていて、女性用のメニューにはお値段の記載がありません。いつものようにアラカルトからのオーダー。この日の夜は、前菜もメインも、同じものを選んだ私たち。珍しく気が合いました(^^)
*食前酒:Sherry
*Amuse:豚のリエットのカナッペ、
*ロワール産ホワイトアスパラのプレゼ
*ビゴール ド ノワール豚ロース肉のロティ
ポワトリーヌフュメのコクを加えた ソースボルドレーズ
*Avanc Desert:グレープフルーツのエスプーマ
*Desert:フランボワーズとチョコレートのムース、フランボワーズのコンポートを添えて
パン・デ・ピスのシャルロット仕立て、ソース・アングレーズ
*ワイン:Nuits St Georges La Richemone 1997 / A.Pernin Rossin
*Petit Four
*Cafe Tea
●Amuse
Amuseは、子鮎のエスカベッシュ、ソーセージパイ、エビのタルタル仕立て、干しタラとタプナードのカナッペ・・・と小さなお料理を少しずつ。一つ一つのお料理は小さいけれど、食感、味のコントラストが楽しい。
●ロワール産ホワイトアスパラのプレゼ
お皿を見た瞬間、あらら、1本だけ?と思ったのですが(3ー5本はマストだろうと思ったもので・・)、よくよく見ると、太さと長さはしっかりしたご立派なホワイトアスパラです。空豆の彩と香りを添えた、春らしいお料理です。ソースは、ホワイトアスパラのもつ、瑞々しさ、ほろ苦さ、甘さを生かした仕上がり。残してはもったいないと、くパンに手が・・。
●ビゴール ド ノワール豚ロース肉のロティ
ポワトリーヌフュメのコクを加えたソースボルドレーズ秀逸だったのは、こちらのビゴール ド ノワール豚のロティーです。お店の方の説明によると、ビゴール豚は、フランス南西部のスペインとの国境にあるピレネー山脈の野生の黒豚が家畜化したもの。現在も野生に近いかたちで放牧して育てているため、運動量が多く、春は牧草や新芽、冬はどんぐり・・・を食べて育っているため、肉質は柔らかく、ナッツのような香りある脂が特徴、とのこと。
お皿が目の前に置かれた瞬間、なんともいえない香りに、2人ともニコニコに。真っ先にナイフを入れたのは、もちろん脂の部分。旨みがあって、実に美味しい。この脂はね、猪の脂に通じる旨さ。・・・なんてことは、
仔猪の丸焼きを作って、炙りたての脂身を食べたことがあるからわかること。美味しい経験を重ねるということは、その場、その場の幸せに終わらず、その後に美味しいものに出会った時の歓びをさらに高めてくれる・・・ということを実感(しみじみ)。 赤身も肉に甘みがあり美味しい。添え物のラタトゥーユの野菜の柔らかな酸味を足して食べても美味しい。ソースにポワトリーヌフュメ(ベーコン)が入っているのは好みが別れるところかも。倍とは言わないけれど、ポーションが、もうちょっとあると、なお嬉しい。
●Fromage
以前に比べると種類は減りましたが、状態が良さそうなものを揃えているところはさすがです。シェーブルのブルーチーズ、ウォッシュ(名前を失念)、カマンベール、ミモレットといったあたりからチョイス。意外なことに、熟成シェーブルのブルーとワインがどんぴしゃの相性。わからないものですね。チーズを取り分けてもらう間の会話で、我々が「ウォッシュ好き」であることを察したお店の方が、「ご用意したウォッシュが若いものでしたので・・・」と、後から、熟々のエポワスを持って来て下さいました。この香り、味わい、たまりません。ワインとの相性の良さは言うまでもなく♪
●Nuits St Georges 1er Cru La Richemone 1997/A.Pernin Rossin
この日のワインは、Nuits St Georgesの1級畑 La Richemoneのもの。作り手は、Pernin Rossin。1998年に生産を終了しているそうで、貴重なものがいただけました。
最後の 色は濃いルビー色。カシスのような果実味のする綺麗な酸味がするワイン。豚とは好相性。
●BADOIT
こちらのお店、お水も選べます。「水はガス入りのものを」とお願いしたら、テーブルに3種類のボトルを持って来てくれました。私が選んだのは、
BADOITです。炭酸が細やかで、泡が綺麗。きりっとした飲み口で、口の中をさっぱりと洗い流してくれるので、肉料理の時には、なかなか調子がいい。日本でも扱うようになったんですね。ワインも料理も最後まで美味しくいただくには、水って大事だと、最近思うようになりました。
●Avanc Desert
お口直しに出てきたのが、グレープフルーツのエスプーマ。グレープフルーツの冷たいムースに炭酸を加えたたデザートで、出来たてをすぐに、テーブルに運ばれてきました。口に入れた瞬間、泡と一緒にムースがすーっと消えてなくなり、香りだけが余韻として残る・・・という爽やかなデザート。これは面白い。ソーダサイフォンを使ったら家庭でも作れるかしら・・・と思ったけれど、こうは上手く出来ないでしょうね(←当たり前です)
●紅茶
食後のお飲み物に、紅茶はいかがですか・・と、色々な茶葉を並べたトレイが運ばれてきました。こちらのお店では
LE PALAIS DES THESの紅茶がいただけるのです(^^) 普段は食後はエスプレッソなのですが、ここのお店ではいつも、紅茶を選べる楽しさも手伝って、紅茶を選んでしまいます。
●Desert
相棒は、「フランボワーズとチョコレートのムース、フランボワーズのコンポートを添え」をチョイス。私は、「パン・デ・ピスのシャルロット仕立て、ソース・アングレーズ」を。パンデピス独特のシナモンやスパイスの甘い香りとコクを、重くなりすぎない程度に取り入れて、軽やかなシャルロット仕立てにしています。
●Petit Fours
食後のPetit Foursは、ワゴンに用意されたクッキー、ショコラ、メレンゲ、マカロン、ゼリー、キャラメルなどの一口サイズの小菓子を好きなだけどうぞ・・というスタイル。ついつい色々といただいてしまいました。
ここは、いつ訪れても、気分良く、落ち着いた雰囲気で、安心してお食事できるレストラン。メニューの選択肢は、限られていますが、目の前に運ばれてくる1皿1皿には、オドロキと楽しさがあり、料理が出てくるタイミングも適当で、ワインや会話を楽しみながら、ゆっくり料理を味わえます。サービスは、ソツなく、適度な距離感を保ちつつ、適当に遊んでくれる間合いの良さが心地良く、とても楽しい3時間半となりました。レストランには、お店で過ごす時間にお金を払うもの、と思っているのですが、そういう意味では、過ごした時間の快適さに見合うCPだったと思います。名古屋でハレの日に安心して訪れることの出来る数少ないお店の1軒。
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●Le Chevalier (フレンチ)
住 所: 名古屋市中区錦2-12-21 錦カナアンビル3F
電 話: 052-220-5820
最寄駅:地下鉄「栄」駅
備 考:要予約 メールでの問い合わせにも迅速丁寧に対応してくれる *""*""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*