今回の沖縄旅行の最大の目的は、名古屋のChez Totoで働いていた加藤夫妻が、宜野湾で営む『Pork & Pizza 加藤食堂』を訪ねること!
夕方17時過ぎに那覇空港に到着した私たちは、琉球バス120番「名護西空港線」に乗り込み、お店のある宜野湾へ向かいました。「真志喜」のバス停で降り、沖縄コンベンションセンターに向かって歩いて、4本目の通りを右折すると、すぐ左手に真っ赤な壁に板看板のかかったお店があります。ここが『Pork & Pizza 加藤食堂』です。
ドアを開けると正面がオープンキッチンとカウンター席、ドアの両側にテーブル席があって、右奥が掘り炬燵式の座敷席・・・という明るくてカジュアルな雰囲気のお店です。右手のテーブル席に落ち着くと、まずはペルノーで乾杯。メニューを開くと、「本日のお薦め」の「フロマージュ・ド・テット Marco風」に目が釘付けに。その他にも心惹かれる料理がたくさん♪ 迷った挙句のオーダーは、こんな感じ。見事なくらい、豚内臓系にシフトしてます(^^)
*食前酒:Pernod x2
*お口取り:鶏のスモーク仕立て
*生ハムの盛り合わせ
*冷製ラタトゥーユ
*フロマージュ・ド・テット Marco風
*豚足ソーセージミンチ包み シークヮーサーソース
*豚中味と豚バラのトマト煮
*自家製ソーセージ Toto風
*Fromage ブリアサバランアフィネ ゴルゴンゾーラ ガレットデテロワール
*Desert フォンダンショコラ/クリームブリュレ
*Wine Caldoria YUME Montepulciano d'Abruzzo DOC
*エスプレッソ x2
*食後酒: マール・ド・ブルゴーニュ x2
●鶏のスモーク仕立て
お口取りに出てきたのが、鶏をスモークして、程好い酸味のバルサミコソースをあしらった一口サイズのお料理。
●生ハムの盛り合わせ
こちらは、マダムのサービスで。カウンターに置いてある大きなイベリコ豚の生ハムをカットして、ニンジンのサラダを添えて持って来てくれました。お店のメニューはシャルキュトリーやパテ類も充実していて、セットでも、単品でも頼めるようになっています。鶏レバーのムース、田舎風パテなど、Chez Totoで好きだった料理がいくつも。
●ラタトゥーユ
野菜がたっぷりの冷製のラタトゥーユ。楕円のお皿に盛られて出てきました。夏野菜の中にサツマイモも入っていて、このサツマイモの仄かな甘みが、トマトの酸味にマッチして、新鮮な味わい。真似してみたくなりました。
●Caldoria YUME Montepulciano d'Abruzzo DOC
ワインはイタリアのものをチョイス。YUMEは、日本語の「夢」から付けられた名前の Montepulciano種100%のワイン。熟した黒いベリー系の果実、スパイスの香りが心地良く、豊かなタンニンとふくよかな果実味のバランスの取れた、飲み応えのあるワインでした。
●フロマージュ・ド・テット Marco風豚の頭のゼリー寄せのようなものが出てくるかと思いきや、ご覧の通り(^^) 予想を超えた素敵なお皿が登場。豚の頭、足、尻尾、ホホ肉、ハチノスなどの内蔵を煮込んで、皮で包んでパリッと焼き上げてた熱々のフロマージュ・ド・テットに、マスタードが添えてあります。シェフのオリジナルだそうです。だから、Marco風。断面に見える内臓のコロコロ感がいいでしょう。内臓系は、食感も大事。熱々のところをカットして齧ると、まったりとした内蔵の旨味が口いっぱいに広がり、喉元を通り過ぎた後も芳しい香りが余韻として残ります。そこへワインをグビグビ。色々な部位を使うことで、旨味が重なって、味の深みが違います。ネットリ、プルプル、コリコリ、シコシコ、パリパリ・・・と食感の妙も堪りません。ツボでした。大満足。
●豚足ソーセージミンチ包み シークヮーサーソース
豚足をミンチにしてソーセージ仕立てにしたお料理。沖縄特産の果物シークヮーサーを使ったソースでいただきます。こちらもコラーゲンたっぷり。表面をパリっと焼き上げたソーセージをカットすると、柔らかく煮込んだ豚足さんがこんにちは。ムチムチの豚足のネットリとした旨味に、シークヮーサー独特の爽やかな酸味と香りが良くあいます。こちらもワインを呼びます。癖になる味。
●豚中身と豚バラのトマト煮
豚の中身(モツ)とバラ肉をトマトソースで煮込んで、雑穀米のご飯を添えてあります。豚の中身といったら、中身汁など沖縄料理に欠かせない食材の1つ。イタリアンで、トリッパなどの内臓のトマト煮は定番ですから、沖縄料理とイタリアンのコラボみたいな感じかしら。豚モツとトマト、意外なようで良く合うんですね。穏やかな優しい味付けで、ほっとする味。風邪を引いている時に、これを食べたら元気になりそう。近所でこういうご飯が食べられる場所があるといいのになぁ。
●自家製ソーセージ Toto風 自家製ソーセージ2個に、ハーブ野菜、キノコのソテーが添えてあります。その名の通り、名古屋のChez Totoの元オーナーのクリストフ(通称Totoさん)からいただいたというレシピをアレンジしたもの。粒マスタードを添えていただきます。皮は厚めで、噛むとプリっと弾け、中から肉汁がジュワッ。粗挽き肉は、程好い歯応えを残し、噛み締める程に肉の旨みと香りが溢れ出て、もうウマウマ。
Pizzaにするか、Fromageにするか悩んだのですが、Fromageのラインナップに惹かれて、追加オーダー。マダムがそれぞれの状態についてきちんと説明してくれるのが嬉しい。Fromageについては、マダムに聞けですね(^^)
●Fromage
ブリヤ・サヴァラン・アフィネ ・・・今日1番状態がいい・・と薦めて下さっただけあって、柔らかくトロトロ。スプーンですくって出してくれます。濃厚でしっとりとした味わい。
ゴルゴンゾーラ・・・青カビが綺麗なゴルゴンゾーラ。ハチミツを添えると美味しい。
ガレ・ド・ラ・ロワール・・・こちらはロワール地方のウォッシュ。ワインに合わせて選んでくれたもの。柔らかな表皮の中からふわっとミルクの甘みが広がります。
●デザート
相棒がフォンダンショコラ、私はクリームブリュレと定番のものをオーダー。注文してからバーナーで炙って出してくれるクリームブリュレは、表面はカリカリ中はとろーりとろとろで文句なしに美味しい。カスタードソースに横たわったフォンダンショコラも、濃厚で相棒は満足だったご様子。
●食後酒
最後はマールで〆。食後酒もちゃんと置いてあるのが嬉しい。マダムがニコニコして、ボトルとグラスを持ってきてくれました。食前酒で喉を潤し、食後酒を飲み干すまで、2時間半、シアワセな気分で過ごせました。ご馳走様でした。
ここは、お酒を飲みながら、フランスのビストロやイタリアのトラットリアの匂いを感じる料理を気軽に、リーズナブルに楽しめるワイン居酒屋。お酒は食前酒、食後酒も揃っていて、ワインもボトルで2000円台のものが中心。加藤シェフは、以前からセンスが良い料理人だと思っていたのですが、輝きを増した感じ。今回いただいた料理は、どれも勢いがあって、シェフの心意気を感じました。マダムの接客もきびきびしていて、1人でフロアを仕切っているのにドタバタ感がなく、ラフな雰囲気の中にも、キリリとした感じを保っているところは流石。シェフとマダムの人柄とセンスの良さが、店の隅々まで行き渡っていて、気持ち良くグラスを傾けられる、素敵なお店です。
この日も、夜の9時を過ぎても訪れる客が絶えない人気ぶり。週末には、夜中の1時に満席になることもあるのだとか。・・それは大変(^^)オープンから数ヶ月で、地元の皆さんに愛されるお店として、定着したみたいです。嬉しくなりました。CPはビックリするほど高く、近所の人が羨ましい限り。沖縄に出かけることがあったら、予約を入れて再訪したいお店です。
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●Pork & Pizza 加藤食堂 (ワイン居酒屋)
住 所:加藤食堂宜野湾市真志喜2-16 SKマンション1F
電 話:098-890-2055
アクセス:琉球バス「真志喜」バス停より徒歩5分
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