年末年始の香港旅行は、関西空港発着便を利用しました。せっかくなら、大阪に前泊して、ちょっと一杯楽しんでから出かけよう・・・当然のように、そんな流れになってしまいました。訪れたのが、日本酒の品揃の良さが評判の酒屋「
山中酒店」直営の「佳酒真楽やまなか」です。場所は、南海難波駅から徒歩10分程の住宅街の中にある山中酒店の4階。目立たない小さな看板を掲げた細い階段を登ると、酒屋があり、奥のエレベーターで4階に上がると、お店の入り口に辿り着きます。
お店は、玄関で靴を脱いで上がるスタイル。入ってすぐ右手がカウンター席で、その奥にテーブル席があります。もともと住宅だったスペースを改装したとあって、どこかのお宅にお呼ばれしたような寛いだ雰囲気。日本酒は、グラス(120cc)単位で飲むことができ、評判どおり種類が豊富。料理に合わせて出してもらえるおまかせコースもありますが、好きなお酒を選びながら飲んで楽しむことに。お料理の方は、一品料理と事前予約のおまかせコースがあり、今回は、日本酒選びに専念しようと(^^)、3000円のおまかせ料理を事前に予約しました。
●おまかせ
*かぼちゃのそぼろ煮
*刺身:サゴシ、メイタカレイの昆布〆、ヒラメ、ホウボウ
*自家製アジの一夜干し
*鯛のあら炊き
*3種盛り:揚げ銀杏、きゅうり味噌、牡蠣のオイル漬
*地鶏と野菜の餡かけ
*タコのあっさり煮
*炒飯
●刺身
右上から時計回りに、さっと皮を炙ったサゴシ、昆布〆にしたメイタカレイ、花びらのように盛り付けたヒラメ、もっちりとしたホウボウの盛り合わせ。ちゃんと仕事をしたお刺身ばかり。盛り付けも美しい。
●自家製アジの一夜干し
伊勢産のアジを一夜干しにしてさっと炙ったものに、自家製のタクアンが添えてあります。すだちを絞っていただきます。アジは、ふわっとふっくらと焼き上げていて、身がホクホク。脂のノリと塩加減も絶妙。日本酒が進みます。
●鯛のアラ炊き
醤油とお酒で炊いた鯛の頭に、一緒に炊いたと思われるダイコン、ニンジンを添え、おぼろ昆布が天も利してあります。甘さをぐっと押さえたあっさりとした味付け。酒飲みには嬉しい1品。
●3種盛り
塩水に浸してから殻ごと揚げた銀杏、キュウリに肉味噌をつめたもの、牡蠣のオイル漬けが少しずつ。どれもちょっとした一工夫がなされてます。
●地鶏と野菜の餡かけ
皮をパリっと焼いた地鶏を白菜、葱、しめじなどと一緒に出汁で煮て、餡仕立てにしています。少し濃い目のお味がお酒を呼びます。
●タコのあっさり煮
もうご飯ものかと思ったら、まだもう1品ありました。タコをお出汁でさっと煮てあります。タコの新鮮な味わいが引き立ちます。
●炒飯
パラパラっと米に油がうまい具合に周った炒飯で〆。これが絶品。このレベルの炒飯にはなかなか出会えない。意外なところで意外な美味しさに出会い、ちょっと嬉しい。これだけ食べて、3000円なんて、シンジラレナイ。調理法もシンプルながら、日本酒を飲むことを前提にして仕上げてあり、一見ありふれた料理にも一工夫があって、どれも楽しく、CPの高さには脱帽です。
日本酒のメニューは日替わりで、この日のラインナップは、全国各地の地酒が約60種類、リストを眺めているだけで、シアワセになれます。(リストは、持ち帰ることが出来るのが嬉しい) 価格帯も良心的。この日のラインナップの中から、我々が選んだのは・・・
●相棒が選んだ日本酒 (飲み方は 燗 で)
王禄 純米80% 無濾過生原酒 ・・・ 甘酸辛苦のはっきりしたガツン系。
東洋美人 超辛口純米・・・ さらっとした味。最初に飲むなら。
眠龍 生もと純米・・・ どうやら好みではなかったもよう。
奥播磨 白影泉 山廃純米 17BY・・・この日のイチオシ★
酸と旨みのバランスが良く、酸が適度に切れ上がり、引きが長い、燗で伸びるお酒。
旭菊 綾花 特別純米瓶囲い・・・ 柔らかな米の香りがふんわりと広がる旨口。
●私の選んだ日本酒(飲み方は 冷やで)
富久錦 どぶろく
・・・お粥のような舌触り。甘さとは無縁、しっかりとした酸が際立つ大人の味。
三井の寿 山廃純米 5年円熟
・・・淡い琥珀色。ビスケットのような甘みと濃厚なコクがまったりと。
旭菊 綾花 特別純米瓶囲い
・・・こちらは燗で相棒とシェア。 柔らかな米の香りがふんわりと広がる旨口。
秋鹿 朴 木桶仕込生酛純米
・・・この日の私のイチオシ★
秋鹿は好きで色々飲んでいるけど、これは初めて。秋鹿らしい心地良い酸と深みのある旨みの後から、木の香りの余韻が追いかけてくる感じが素敵。燗にしたら化けそう。
こうして見比べると見事に好みが分かれていますね(^^ゝ 私は料理との相性というより、気になるお酒を順番に飲んでいったら、思いっきり、ガツン系に振れてしまいました。翌日に飛行機に乗るというブレーキがなければ、10年古酒や、シェリー樽仕込みの古酒にも手が伸びたかも。でもこれだけ濃口のしっかり系ばかりをたて続けに飲んだら、さすがに疲れますね(^^ゝ
酒屋が直営のお店とあって、お酒の管理も良く、そのお酒が一番いい燗の温度で飲めるように、出してくれるのが素晴らしい。燗の温度は完璧だったとか。お金を払うだけのことはあると相棒はニコニコ。山廃のものや、古酒モノの種類も豊富でなのが私には嬉しい。
リーズナブルに、寛いだ雰囲気で、美味しいお酒と、日本酒に合う料理が楽しめる、近所にあったら通い詰めたい・・・そんな素敵なお店です。お店のスタッフもきびきびしていて、一見さんも常連さんも分け隔てなく接してくれ、適度な距離感を保ちつつ、適当なアドバイスもしてくれるのが嬉しい。大阪に行ったら立ち寄りたいというより、ここに行くために大阪に出かける用事を作りたいくらい。香川のうどんやめぐりの帰りに、是非立ち寄りたいところ。来月予定している牟礼の焼き牡蠣の帰りは、FOOTバスを利用して、大阪経由で帰ろうかな・・・だなんてちょっと気が早いかしらん(^^ゝ
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●佳酒真楽やまなか(日本酒)
住 所:大阪市浪速区敷津西1-10-19 山中酒の店 4F
電 話: 06-6635-3651
最寄駅:地下鉄「大国」駅2番出口、JR「今宮」駅東口
南海「難波」駅からでも徒歩10分程
備 考:カード使用可 要予約*""*""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*