◆三本木
京都守護職となった容保に随行したのは、武官だけではありません。朝廷・幕府・諸藩関係者との折衝や情報収集を行う公用人、いわゆる文官も、ともに上洛しました。公用方の拠点となったのは、京都御所のすぐ東側にある三本木。東は鴨川、西は河原町通りの間で、北は出水通り、南は丸田町通りに囲まれた一画。彼らの住まいは、「三本木屋敷」と呼ばれました。

三本木の地名は今もあり、古くからの住宅が残る静かな住宅地となっています。幕末の志士たちが、この界隈を闊歩したのですね。当時の面影こそありませんが、感慨深く散策。
◆蛤御門

蛤御門は、京都御所の周囲を固める九つの門の一つ。京都御所の西側にあります。この門の周辺で、尊皇攘夷を主張する長州藩と、公武合体派の会津藩や薩摩藩による幕府の連合軍との間で、激しい戦が繰り広げられました。これが、蛤御門の変。門の梁に残る弾痕が、かつてここが戦いの舞台だったことを、今に伝えています。