南仏プロヴァンスでハーブを食べて育った山羊の乳で作った、ハーブ香豊かなチーズが、このRoves des Garrigues(ローヴ・デ・ガリック)です。
小さくてまあるいコロンとした形が可愛らしいこのチーズは、先日の
Rove Thym(ローヴ・デ・ガリック) 同じく、南仏プロヴァンスの高原で、ローズマリーやタイムなどのハーブを食べて育ったローヴ種の山羊のミルクで作ったチーズ。山羊特有の臭みがなく、山羊たちが食べた草(ハーブ)、ハーブを育む大地の香りがするチーズです。熟成が若い時のフレッシュ感、熟成が進んだ時の練れた美味しさ・・・どちらも捨て難かったりします。今の時期は、山羊ならでは爽やかな酸味とフレッシュなハーブの香りが楽しめます。ハーブたっぷりのサラダと一緒に食べても美味しい。小ぶりで食べ切りサイズなので、気軽に買い求め易い点も大いに魅力。我が家の夏の食卓には、何度か登場することになりそう。
Rohneの白といえば、Condrieu。Rohne河流域北部で栽培されるViognier種で作った、華やかな香りとふくよかな味わいが特徴のワインです。
●Condrieu "Coteau de CHERY" 1996 / Andre Perret
先日の
Saint-Joseph, Rougeに引き続き、ワインの作り手は、
Andre Perret です。
Andre Perret は、Rohne北部のVerlieu-Chavanay という小さな村にあるドメーヌ。CondrieuとSaint-Josephに畑を持ち、特にCondrieuに所有する"CHERY"という区画は、Condrieu北部の特に評価が高い畑です。
飲み始めの香りは穏やかだったのですが、時間を置くごとに、熟したトロピカルフルーツ、ドライフルーツの溢れんばかりの香りに、白い花、蜂蜜の豊かな甘い香りが合わさって、香りに複雑さと深みが加わりました。香りだけでも、幸せになります。熟したトロピカルフルーツの凝縮した甘みにハーブ香が合わさったエキゾチックな個性が際立つ、優美でリッチな味わい。ボディーに厚みとコクがある風味豊かなワインでした。熟成によって酸味がまろやかになっていて、最後の1杯まで美味しくいただけました。好み。
今が旬のシェーブル。見た目の可愛らしさにググっときたのが、こちら。
Rove Thym(ローヴタン)は、タイムやローズマリー等々のハーブを食べて育った山羊のミルクで作った南仏・プロヴァンス地方のシェーブル(山羊のチーズ)です。葉っぱを模ったような形のチーズのくぼみにフレッシュハーブの枝を添えたデコレートが素敵。見た目も香りも南仏のイメージそのもののチーズです。まだ熟成が若いチーズでしたが、カットしてから少し時間を置くと、外側はとろっと、中はしっとり。シェーブル独特の酸味はまろやかでコクがあり、ハーブの香りが爽やかな夏らしいチーズです。初夏のテーブルが華やぎます。白ワインと一緒に食べたい。
新鮮なイワシが手に入ったら、梅干と一緒にさっと煮付けていただくことが多いのですが、
たまには趣向を変えてみましょう・・・という話になり、「それならば作りたい料理がある・・・」と相棒が作ってくれたのが、こちら。いわしのつみれのマリネです。
パトリス・ジュリアン著の「お鍋でフランス料理」のレシピを参考にしています。
●イワシのつみれのマリネ
①骨と頭を取ったイワシ16匹を細かく叩いて、おろしニンニク4かけ、刻みパセリ(6本)
塩小匙1、クミン・パプリカ各大匙1、黒胡椒小匙1/2とよく混ぜ合わせます。
②一口大に丸め、溶き卵・小麦粉の順にからめて、フライパンで焼きます。
③赤ワインビネガー・オリーブオイル・クミン・パプリカ各大匙4、カイエンペッパー少々、
塩小匙1/2、胡椒、潰したニンニク4カケ、ローリエを加え、マリネ液を作ります。
④つみれを容器に並べ、マリネ液を注いで、冷蔵庫で1~2晩おいたら出来上がり!
(途中で何度か上下をひっくり返します)
香辛料とニンニクをたっぷり効かせた鰯料理。マリネ液に浸すことによって、つみれが焼き上がりより、きゅっと締まった感じになります。青魚特有の臭みがまったく消えているのは、ふんだんに使った香辛料と塩にあるのでしょうね。塩気が良い感じに効いて、思わずワインが欲しくなる仕上がり。(アルコールナシで食事をするヒトには、塩気がきつく感じるかも)新鮮な鰯を使うのですが、和食とは美味しさの引き立て方の方向性が全く違うところが面白いです。クミンの香りとパプリカの赤い色に、フランス料理というより、モロッコ料理をはじめとする地中海料理の香りを感じます。味を馴染ませるために数日おくので、新鮮な魚が手に入る週末に作り置きしておけるのも魅力。私がしたことは、食べる直前にパプリカを焼いて、ジャガイモを茹で、自家製のバジルを添える・・・それだけ。こんなに楽して美味しく食べれていいのかしら・・・。今週末も作ってもらえるといいな(はぁ~と)
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お鍋でフランス料理(パトリス・ジュリアン著)
ル・クルーゼの鍋を使った、身近な食材で、必要最低限の香辛料さえあれば、比較的手軽に作れる、フランス家庭料理のレシピが紹介してある料理本。、家庭で手軽にビストロ風の料理が楽しめます。ワインを飲むことを想定した料理のレシピなので、塩の効かせ方がポイント。
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Rohneのワインは、スパイシーな料理に良く合うので、我が家ではしばしば登場します。
●Saint-Joseph, Rouge, “Les Grisieres” 1999 /Andre Perret
Andre Perret は、Rohne北部のVerlieu-Chavanay という小さな村にあるドメーヌです。CondrieuとSaint-Josephに畑を持ち、有機農法で育てた萄畑で、ワインを醸造をしています。
色は、深みのあるルビー色。香りは、甘草、丁子などのスパイシーな香りに、土っぽい香り、スミレの香りが合わさった感じ。熟した黒いベリー系の凝縮した果実味に、チョコレートのような香ばしさがします。タンニンは力強くスパイシー。太陽の恵みをたっぷり受けた葡萄ならではの、豊かな甘みとボリューム感があります。濃厚でまろやかな飲み心地。すいすいと杯が進んでしまいます。好み。