5月16日(金) つづき
日中、Versillesを満喫し、ゴージャスな気分のまま1日を終えようと、この日の夜に訪れたのが。Parisを代表する老舗ホテル「Le Meurice」。
◆Le Dali
といっても、三ツ星レストランではなく、ラウンジのサロン・ド・テをリニューアルして、昨年12月にカジュアルフレンチとしてオープンした
Le Dali です。その名の通り、Salvador Daliへのオマージュを捧げたレストランで、空間デザイナーのPhilippe Starckが家具や装飾をデザインし、彼の娘が天井画を描いたことでも有名。
料理は、
SANS(=without)と
100%という2つのコンセプトで展開。メニューを開くと、左側に「SANS」、右側に「100%」のコンセプトに沿った料理が並んでいます。
例えば、「SANS Liqueur」=ラム酒なしのババ、「SANS Faim」=空腹なしのサラダ、「100% Classique」の地鶏料理、「100%Rouge」のデザートなどなど。謎解きのような楽しさがあります。ホテル内のカジュアル店とあってメニューに軽食もありますが、ハンバーガーらしき料理の名前は「SANS Chef=シェフ要らず」であるのに対し、バゲットサンドが「100% Meurice」だったりします。遊び心を感じますね。他にも、クスっと笑える料理がいくつかあり、メニューを読んでいるだけでも楽しい。
*食前酒:Sherry
*SANS Vinaigrette = ビネガーなしのパテ
*100% Tradition = 100% 伝統的なスープ
*SANS Assiette = 食器なしの鳩料理
*100% Printemps = 100% 春のナヴァラン
*100% Framboise = 100%フランボワーズのデザート
*100% Flavour = 100%フレーバーのデザート
*Michel et Stéphane Ogier 2006 L'Ame Soeur Terres de Viennae
*Cafe
●SANS Vinaigrette
その名の通り「ビネガーなし」のお料理。酸味を得意としない私が洒落でオーダー。パテには、香草と酸味のきいたラビゴット・ソースを合わせたり、ピクルスが添えられるのが定番ですが、さて、どのように供されるのでしょう。ワクワクして待っていたら、肉の赤身、野菜のゼリー寄せ、レバーが何層にもなった美しいパテに、お肉のジュを合わせ、ライ麦パンとオイルで合えた葉野菜が添えてあります。上品なお肉のジュと、冷んやりして旨みの効いたコンソメ・ゼリーのスープの旨みと、ライ麦パンのほんのりとした酸味で食べさせるお料理。パテの肉の部分は滑らかで、香味野菜の香りと歯ごたえも楽しい1品でした。
●100% Tradition
こちらは相棒のチョイス。めちゃくちゃクラシックな野菜のポタージュスープ。ありふれた野菜もきちんと手をかけて作るとこーんなに、何ランクも美味しいスープになるのね・・ということがわかる典型。相棒曰く、しみじみと美味しい、田舎のおばあちゃんの味だそうです。これを、わざわざ、小洒落たレストランで頼んで食べるか・・・と言われたら、身も蓋もないけれど、それを面白がるのが、この店の面白さではないかと。
●SANS Assiette
こちらも相棒のチョイス。食器ナシの鳩料理・・・といったら、鍋ごと出てくるってことだよね・・・という読み通りのお料理。とは言いつつも、実は、大きな鍋に鳩1匹まるまる出てきたらどうしよう・・と内心ひやひやしていたという相棒。意外とポーションは軽く、なーんだと思ったとか、思わなかったとか(^^ゝ たっぷりのプチポア、ソラマメが入った春らしい1品。美味しそう♪
●100% Printemps
こちらは、春野菜がたっぷりの羊のナヴァランでございました。プチオニオン、グリーンアスパラ、ニンジン、インゲンなどなど野菜たっぷり。柔らかく煮込んだ羊の肉は、上品ながら、羊らしさが感じられ、Michel et Stéphane Ogierの可愛らしい果実味たっぷりのワインと良く合いました。
●100% Framboise
料理名そのものの料理、たっぷりのフランボワーズにフランボワーズのソースがかかってます。見るからに酸っぱそう。この酸の旨みがしっかりした果物は、日本では食べられない味だから・・・と相棒。赤いベリー系食べ納めですね(^^)
●100% Flavour
ローストしたバナナとヘーゼルナッツのペーストの入った濃厚なチョコレートケーキに、フランボワーズとフランボワーズの間歌論が添えてあります。チョコレートにバナナ、ヘーゼルナッツの相性は抜群。ベリー系の赤を添えると、ビジュアル的には可愛らしく美しい。・・でも、赤色系のトッピングは、相棒に進呈。
内装、料理、コンセプト、どれもに、Parisのエスプリを感じるレストラン。ここで楽しめるかどうかは、メニューを見て、この遊び心溢れる趣向を理解できるかどうかにかかってそう。例え、田舎料理が、恭しく出されても、「なるほど、そういうことだったのねぇ~」と笑い飛ばせるくらいの、心の余裕、と気持ちのゆとりが欲しい。そして、ここでは、CPとか、そういうことを真面目に考えて、頭でソロバンを弾いてはイケナイ。飲み物のお値段、これは、それなりにいたしますが、非日常的な雰囲気があり、スタッフもソムリエのお嬢さんも、客を転がして、遊んでくれます。私は、このクラスの店の方が、楽しめるのかも。訪れたタイミングも良かったかもしれません。あれもこれも・・とガツガツしている、Parisの初日ではなく、色々なタイプのレストランで食事して、食べたいものは一通り試したわ、今夜はどうしましょう、面白いところないかな~というような場面が起こりうる、旅の中盤から後半の方に、気分転換に訪れるのが、よろしいかと。Pairsの夜は、笑い声とともに 更けていくのでありました。
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●Le Dali (フレンチ)
住 所:Le Meurice 228, rue de Rivoli 75001 Paris
電 話: 01 44 58 10 44
最寄駅:Bastille (Metro 1,5,8) Saint-Paul (Metro 1)
備 考:カード使用可 *""*""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*