昨年秋の
試飲会ですっかり気に入った、大阪・能勢の秋鹿酒造の醸す「秋鹿」。先日、
酒屋はやしを久々に覗いたら、生酒、火入れしたもの、酒米違い・・・と秋鹿のラインナップが充実。そそられるものがあり、ちょっと気になった1本を、その日の晩に燗してみました。
●秋鹿 特別純米 山廃 無濾過原酒 7号酵母 山田錦 火入れ
秋鹿酒造は、京都と兵庫に接する大阪・能勢の山里にある蔵元です。お米の栽培からこだわって、自前の田と地元の契約農家で育てた酒米だけを使う、「米造りから酒造りまでの一貫造り」を目指しています。
今回買ったのは、「特別純米山田錦山廃無濾過」の火入れしたもの。香りはおとなしめ。ほんのりとゆで卵のような香りを感じます。口当たりは柔らかで、しっかりとした酸を伴ったまろやかな旨みが、ゆったりと広がります。
ぬる燗にすると旨みが一気に前面に出て来て、キレと旨みが、グンと増します。「燗上がりする良いお酒」とはこのことを言うのでしょうね。綺麗な味の中に複雑さが潜んでいる濃醇辛口です。
旨みがあるけれども軽やかさもあり、旨味と酸とのバランスが良く、飲み疲れしません。
食中酒としてのバランスもよろしく、
あら与の「ふぐの子の糠漬け」との相性は抜群でした。
昆布出汁で作った湯豆腐、カワハギの煮物、平目の刺身などとも良い感じ。飲みながら呑む、呑みながら食べる派としては嬉しい限り。今度は、雄町の方を試してみようかしらん。