秋から冬にかけて出回るキャベツは、平たくてどっしりと重みがある冬キャベツ。熱を加えることで甘みが増すので、煮込み料理にするととっても美味しい。香味野菜と一緒にブイヨンで煮込んだポトフ、ソーセージやキノコと一緒にビネガーで煮込んだビゴス、キャベツのオイル煮・・・思い浮かぶメニューは色々ありますが
野菜だより(高山なおみ著)を見ていて思わず目が釘付けになったのが、「キャベツと豚肉の鍋蒸煮」、キャベツ1個を丸ごとつかった豪快な料理です。
●キャベツと豚の鍋蒸し煮
キャベツの水分と白ワインで豚塊肉を蒸煮したお料理です。
①豚塊肉にカットしたニンニクを突き刺し、よーく塩をすりこんで、しばらく置きます。
②強火で玉葱をしっかり炒めたところへ肉の塊、ローリエ、白ワインを加え
ちぎったキャベツを鍋いっぱいにで詰め込んで蓋をして弱火で煮込みます。
③数回に分けて残りのキャベツを鍋に詰め込み、ひたすら弱火で1時間半。
④バターと塩・胡椒で味を調えて出来上がり。
煮込み始めの時は、あまりの水分の少なさに鍋が焦げ付くのではないか・・・?と心配になるのですが、5分程で嵩が減り、15分程でさらに嵩が減り、ちぎったキャベツが全て鍋に収まり、30分程でお鍋はキャベツから出た水分で満たされます。キャベツの甘味がお肉にも染み渡り、ねっとりとした大地の味わいのする料理です。チリメンキャベツと豚足を煮込んだ冬のイタリア料理:Casoeula (カッスーラ)からヒントを得た料理なのでしょうか。また違った美味しさのものが出来上がりました。
・・という訳でこの日は こんな献立に
*サラダ
*豚とキャベツの蒸し煮
*フロマージュ
*赤ワイン(シラー種)
◎豚とキャベツの煮込み
切り分けたお肉にキャベツと煮汁を添えて。お好みで胡椒とマスタードを足していただきます。見た目は地味なお料理ですが、とにかくキャベツが美味しい。キャベツの甘さを味わう料理。黒胡椒をガリガリした方が、ワインとは合います。残りを翌日に温め直したら、キャベツがさらにクタっとなって、味も染みて美味しい。下ごしらえも簡単で、キャベツはちぎって放り込むだけ・・・。豚も塩漬けにしないので塩抜きなどの手間も要りません。ただ、塩をしてからもうちょっと時間を置いた方が、豚のねっとりとした旨味が引き出せるかなぁ・・・とも思ってみたり。これは次回以降の課題です。・・・ってすっかりまた作る気に(^^)
◎フロマージュ
今夜は 南のワイン(シラー)と決めていたので、ちょっと意識して揃えてみました
はやきたカマンベール(夢民舎)・・・熟成が進み、とろとろになってきました。優しい白カビなので、フレッシュでマイルドな風味は持続。穏やかな味わい。
ブルー・ド・ラカイユ・・・オーベルニュ地方のブルーチーズ。青カビらしいピリッとしたシャープさとミルクの甘みのバランスが良いねっとりとした食感のな青カビ。合わせる蜂蜜は、果物やハーブ系のものではなく、風味の強い栗の蜂蜜が◎ 互いの個性を引き立て合いより濃厚な味わいに。ワインとの相性も◎
ミモレット 24ヶ月・・・カラスミのような深いコクのあるチーズ。ワインの邪魔をしない。
コンテ・エキストラ・・・こちらも、ワインを選ばないオールラウンド選手。
ピコドン・・・ローヌ地方の小ぶりな山羊のチーズ。ロワールのものに比べるとミルクの風味が濃厚。熟成が進むにつれ、栗のようなホコホコ感からピリッとしたシャープな味わいに変化するコクのあるチーズ。ピコドン(=ピリッとした)という名前もチーズの特徴が由来しているのだとか。スパイシーな香りのシラーとの相性は◎ 栗の蜂蜜と合わせると、ミルクの旨味が引き立ってまた違った味わいに。ガラっと印象が変わります。とっても食べやすくなりますが、シェーブルらしさは半減。(だから食べやすくなる訳ですが)
私が冬場に良く作る
豚と白インゲン豆の煮込みと手間はそう変わらないのですが、こちらは、下ごしらえが不要で思いついた時にエイっと作れてしまうのが魅力。翌日に温め直した時にも味が落ちなくて、むしろ味が染みて美味しくなっている点もポイント高し。この冬の定番料理になりそうです。
*""*""*"""*'""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*"""*
野菜だより (高山なおみ著)
写真が静かなオーラを発していて、ページをめくる毎に、これも食べたい、あれも食べたい・・・。思わず、野菜料理が作りたくなってしまう本です。出てくるのは、にんじん、じゃがいも、きゃべつ、もやし、大根・・・・普段使いの野菜ばかり。食べる直前にさっと作るもの、半日じっくり時間をかけて作るもの・・・シンプルな調理法で素材の旨味を引き出した料理は、無国籍。大地の力強さと懐の広さを感じます。今が旬の根菜もたっぷり食べられそう。
*""*""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*