司馬遼太郎の『街道をゆく 肥前の諸街道』を読みながら、福岡~唐津を訪ねています。唐津を訪れたのは11月3日の文化の日。400年の歴史を持つ唐津神社の秋季例大祭「唐津くんち」の真っ最中とあって、唐津の町は大勢の見物客で賑わっていました。
「唐津くんち」の最大の特徴は、14町の氏子が奉納する曳山巡行。刀町の一番曳山「赤獅子」にはじまって、十四番曳山「七宝丸」まで、14台の曳山が制作された順番に旧城下町をまわります。
先頭を行く「赤獅子」は、文政2年(1819)の制作。赤獅子の面は粘土型を原型とした一閑張りで、頭上の角や耳、歯は木型に漆を塗った総漆塗り。
続いて、こちらは中町の二番曳山「青獅子」。
28年ぶりに漆を塗り替えたばかりの曳山は、艶やかな光沢を放っています。
道路の両端を埋め尽くす見物客を縫うように、揃いの法被と肉襦袢姿の若衆が独特のかけ声で曳きまわしていきます。
先頭を行く「赤獅子」と「青獅子」。その違いは、色だけではなく・・・
赤獅子・・「枝分かれしていない一本角」に「伏せた耳」
青獅子・・「先が二股に分かれた角」に「上にそり返っている耳」
見物客と曳き子たちの熱気に包まれた唐津を後にします。