南イタリアのプーリア地方の郷土料理を出すレストラン「La Pignata」でディナーを楽しんできました。イタリアの食堂のような店構えのオープンキッチンの小じんまりとしたレストラン。我々はカウンター席に案内されました。
席に着いたら、カウンターにある見事な傘のポルチーニと魅惑のトリュフの塊にロックオン。メニューを広げたら、知らない名前がいーっぱい。ピニャータって何ですか?グラニャーノは?サーニャは?好奇心全開。「わからないことだらけでしょ。何でも聞いて下さい」というシェフのお言葉に甘え、あれこれ教えていただきながら、オーダーを。こちらのお店、シェアが基本。2人の場合は、前菜2品、パスタ1品、メイン1品がお薦めの頼み方とのこと。
*食前酒:カンパリ、アペロール
*プーリア産ブラータチーズと生ハム
*ポルチーニのフリット
*サルシッチャと豚とひよこ豆の煮込みの揚げパスタ トゥリエ
*熊本産馬ホホ肉のプリミティーヴォ煮込み ペッツェティディカヴァッロ
*ワイン: IL FALCONE CASTEL DEL MONTE RISERVA 2006 Rivera
*食後酒:グラッパ、アマーロ
●プーリア産ブッラータと生ハム
綺麗な生ハムの下に隠れているのが、プーリア産の生クリームを包んでモッツァレラチーズ「ブッラータ」。ナイフを入れると中からクリームがトロリ。外側は繊維状でモチモチした食感。塩とオリーブオイルで食べても美味しいけれど、繊細な旨みのイタリアの生ハムとの相性は抜群。
●IL FALCONE CASTEL DEL MONTE RISERVA 2006 Rivera
ワインは、予算と好みを伝えたら、料理に合いそうなものをいくつかセレクトしてくれるので、その中から選ぶスタイル。私たちが選んだのは、プーリア郊外の「カステルデルモンテ」のプーリアの土着品種「ネーロ・ディ・トロイア(ウーヴァ・ディ・トロイア)」主体の赤ワイン。ラベルの「ファルコーネ(鷹)」は、「カステル・デル・モンテ」を建設した王家の紋章に由来しているのだとか。熟した果実の甘み、獣香、スパイスの香りが合わさった香りのある力強い味わい。
●ポルチーニのフリット
カウンターの大皿に盛られていた立派なポルチーニさん。フリットにしていただきました。揚げたての熱々を齧ると衣に封じ込められていた香りがふわっ、旨みがジュワっ。キノコの天ぷらは、和洋問わず、美味ですね。
●サルシッチャと豚とひよこ豆の煮込みの揚げパスタ トゥリエ
トゥリエは、プーリア南部のレッチェという町のパスタで、幅広の平打ち麺をぶつ切りにしたような感じ。ご当地では、茹でたトゥリエと揚げたトゥリエを一緒にひよこ豆のソースで食べるのが定番なのだとか。こちらのお店では、ひよこ豆とサルシッチャを煮込んだソースで和えて供されます。豆とパスタだけの、見た目は地味な料理なのですが、侮れない旨さ。パスタを茹でてモッチリさせて、揚げて香ばしくすることで、食感にも味わいにも広がりが出てくるから面白い。豆好きを魅了。
●熊本産馬ホホ肉のプリミティーヴォ煮込み ペッツェティディカヴァッロ
プーリアは馬料理も名物なんですね。 プーリア州の固有品種プリミティーヴォ種のワインで煮込んだ馬頬肉にトリュフのリゾットを添えて、仕上げにトリュフをサラサラと削って仕上げた魅惑の1品。トゥリエも気になるが、トリュフのリゾットも食べたい・・・と悩んでいたら、「馬の煮込みとトリュフのリゾットを合わせて、その上からトリュフを削って仕上げる・・・という風にも出来ますよ」とシェフが声をかけて下さってお願いした料理。トリュフたっぷりなのが嬉しい。馬肉もしっかり煮込んであって地味溢れる味わい。幸せ。
席についていたときから気になっていたのが、カウンターに並んだ琥珀色のボトルたち。・・・という訳で、食後は食後酒をいただくことに。 食後酒は消化を助けるお飲み物ですし・・(^^) グラッパもアマレットも数種類あって、どれにしようかな。・・・の時間って楽しいですね。私はアマーロ。相棒君はグラッパをいただきました。アマーロは、甘さと独特の苦味が特徴の薬草系のリキュールなんですが、私が選んだアマーロは、苦味がガツンときて、かなり個性的。好き嫌いが分かれそうだけれど、私、結構好きだったりして。
ここでは、カウンター席に陣取って、その日の旬の食材や食べ方を教えてもらいながら、メニューを組み立てるのがお薦め。メニューとの睨めっこがしばし続いても、決して急かしたりせず、「もっともっと悩んでください」と、シェフもスタッフもドンと構えていてくれるのが嬉しい。シェフは、客との会話から好みを感じ取り、ワインに合わせて料理を仕上げてくれているのかな、一見さんでもそんなライブ感が楽しめるお店です。食前酒も食後酒も揃い、あのアマーロはなかなか出会えない味でございました。すっかり上機嫌で外へ。ピニャータを使った煮込み料理が美味しい季節に再訪したい。ご馳走様でした。
*""*""*"""*'""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*
●La Pignata(イタリアン)
住 所:大阪市中央区南久宝寺町2-5-3 ときわビル 1F
電 話: 06-6226-8570
最寄駅:地下鉄「堺筋本町」駅より徒歩3分
備 考:クレジットカードの使用可
*""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*