4日目 つづき
◆木造駅
司馬遼太郎が仰天したという遮光器土偶の巨大レプリカが映画の怪獣のように駅舎いっぱいに立ちはだかっています。実物は、写真よりシュールでインパクト大。司馬は、
気弱とされる津軽人も、ときに床を蹴破って起ち上がるときもある。それが、この巨像かもしれないと咀嚼しています。
太宰は『津軽』の中で「木造は、コモヒの町」と書いています。コモヒは豪雪の北国特有の設えで、店の軒を通りまで張り出した回廊。駅前には、「コモヒ」の構造を残す昔ながらの商店街が続いています。
●父の生家跡
商店街を通り抜けた先の郵便局がある場所に、太宰の父・源右衛門の生家で薬品問屋だった松本家がありました。
太宰は『津軽』でここを訪ねていて、家の間取りが金木の家に似ていることに気づき「何の事は無い、父は金木へ来て、自分の木造の生家と同じ間取りに作り直しただけのことなのだ」と述懐しています。
◆三浦食堂
この日の昼食は、木造の駅前商店街で見つけた「三浦食堂」で。ここもコモヒになっています。
お昼過ぎとあって、店内は地元の家族連れ客らで賑わい、ほのぼのとした雰囲気。周りのテーブルを見渡すと、中華そば、カツ丼、かしわそばが人気のようで、カツ丼と中華そばがセットになった「Aセット」を頼んでいる人が多いようでした。みなさんガッツリ食べてらっしゃいます。
我々はそこまでのパワーがないので、大人しく、私が「かしわそば」、相棒が「中華そば」を注文します。
●かしわそば
かしわそばは、かしわ(鶏肉)の削ぎ切りと白ネギがたっぷり入っています。おつゆの味は優しく、おそばには程好いコシがあり、食べる人を優しく包み込む温かみがあります。
●中華そば
中華そばは、昔ながらの和風出汁に細い縮れ麺が入り、薄いチャーシュー、刻みネギ、メンマ、ワカメがトッピング。透き通ったスープをすすると、鰹節、昆布、煮干の香りと旨みがして、脂っこい今風のラーメンとは対極の、すっきりしたまろやかなお味。スープの絡んだ麺がまた美味しく。あっという間に完食。
つがる市の遺跡から木造駅の近くに来るまで、食堂どころか、コンビニもなく、お昼はどうしましょう状態だったので、この食堂を見つけた時の嬉しかったこと!頼んだものが予想外に美味しく、幸せな気分でお店をあとにしました。こういう想定外は大歓迎。ご馳走様でした。
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●三浦食堂 (食堂)
住 所:つがる市木造有楽町33-1
電 話: 0173-42-2201
最寄駅:JR「木造」駅より徒歩15分
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