2月13日(土) 旅の3日目
明治以降、教育に力を弘前では、多くの外国人教師を招いたことで、西洋文化とともにキリスト教が入り、色々な宗派の教会が建てられました。洋風建築に和の要素を取り入れた、弘前の教会を駆け足でめぐりました。
●弘前昇天教会
弘南鉄道「中央弘前」駅のすぐそばに建つ、重厚な煉瓦造りの美しい聖堂です。
イングランド国教会から始まった、中道主義の日本聖公会の聖堂。ゴシック様式の赤煉瓦造りで、煉瓦はイギリス積み。靴を脱いで建物の中に入ると、和の空間が広がり、正面奥の襖を開いたその先が礼拝堂となっています。
チューダーアーチ、祭壇、アンティークな照明器具・・・と、シンプルで美しい佇まい。3時間後に控えた結婚式の準備がされている中での見学とあって、リハーサルに讃美歌を奏でていたオルガンの音色を聞くことも出来ました。
●カトリック弘前教会
パリ外国宣教会のアリヴェ神父が布教を始めたカトリック教会です。尖塔のあるロマネスク様式の木造モルタル造り。ファサード上部にはIHS(Iesus Hominum Salvator=「イエスは人類の救い主」)の文字が。
扉を開けた瞬間、思わず溜息が。
正面にある木製の祭壇は、オランダのアムステルダムにある聖トマス教会から特別に譲り受けたゴシック様式の祭壇だそうです。素晴らしい。アーチを描く天井の木の梁も美しい。
白亜の聖堂の壁の両側を彩るステンドグラスも見事。
旧約聖書の天地創造、アブラハムと3つの約束、モーゼによる奴隷の解放、新約聖書のイエスの生涯などを表現したステンドグラスは、どれも見応えがあります。
印象に残ったのは、聖霊の恵みによって新しい人間に生まれ変わるという教えを表現したステンドグラス。リンゴ、津軽三味線など弘前の生活に馴染みのある風物や、岩木山麓に広がる弘前の町が描かれています。制作したケベック外国宣教会のカロン牧師の教えが伝わってくるようでした。じっくりと時間をかけて見学したい教会です。
●日本キリスト教団・弘前教会
弘前城のある弘前公園のすぐ東側にある日本キリスト教団・弘前教会は、東奥義塾の英教師ジョン・イング氏の元で洗礼を受けた人々が中心となって設立されたプロテスタントの教会です。
双塔木造ゴシック様式の、木造2階建ての聖堂は、洗練された外観が印象的。パリのノートルダム大聖堂をモデルにして建てられたそうです。