料理教室の
さとうシェフに教えてもらった、新栄の
Arbre de Bacchusで、ビストロ料理を満喫してきました。ここは、オレンジ色のカフェカーテンと、入口前のテラス席が目印の、席数30程のビストロです。お店は、ガラス張りの開放的な作りになっていて、店内に入ると、右手が、オープンキッチンを囲むようにL字型のカウンター席、左手の壁に沿ってテーブル席となっています。ワインを飲みながら食事を楽しむ店にしては、ちょっと照明が明るいかな。アラフォー世代にとっては、もうちょっと暗めの方が、落ち着いて飲めそうな気がします。(メニューは読み易くていいのですが・・)
Pernodを飲みながら、料理のメニューを眺めます。メニューは、日替わりで、アラカルトのみ。A4サイズ1枚なんですが、その中身が素晴らしい。パテやエスカルゴ、牛頬肉の赤ワイン煮込みといった日本のビストロでもすっかりおなじみになった定番料理に加え、Andouillette、Pied de Cochon, Couscous d'Agneau,Petit Sale、Quenelle・・・などなど、正統派ビストロ料理のオンパレード。眺めているだけで一杯飲めます(^^)
*食前酒:Pernod
*Hure Persie (豚耳、豚舌、豚足のゼリー寄せ)
*Confit de Gegier(砂肝のコンフィ ポーチドエッグ添え)
*Andouillette (アンドゥイエット)
*Pied de Cochon (豚足のファルシ)
*Desert:Gateau de Chocolate, Blanc Manger
*ワイン:Chateau Les Eyquems 2005 Cotes de Bourg
*Cafe
まずは前菜。
●Hure Persie
横長の楕円のお皿に、レタスとスライスの玉葱が敷かれ、その上に、細長くカットした、ゼリー寄せが添えてあります。中身は、豚耳、豚舌、豚足、ピクルス、セロリなど。食べる部分によって、食感の違いが楽しく、時間を置くと、ゼラチン質の部分がとぅる~んとしてくるので、ゆっくり食べて、温度による味わいの違いを楽しみたい。ポーションも、多すぎず、少なすぎず、ちょうど美味しく食べられる分量。ワインを呼ぶ味。
●Confit de Gegier
こちらは相棒のチョイス。ラードでゆっくり火を通した砂肝のコンフィに、ポーチドエッグが盛られ、皮付きのニンニクのコンフィが添えてあります。相棒曰く「予想以上の美味しさ」だったそうです。砂肝にはラードの旨味がしっかり染みていて、凝縮感のある味わい。そのままでも美味しいけれど、卵の黄身を絡めたり、ニンニクのコンフィを添えると味に変化があって、良かったとのこと。店の方の話では、お客さんに勧めても、『えぇー、砂肝・・・?』と反応が良くないのだとか。・・・砂肝さん、不人気ですか。美味しそうだったので、次は食べてみたいなと思ったのですが・・・。メニューから消えてしまわないことを願うばかり。
続いてメインのお料理。2人とも豚になってしまいました。
●Andouillette
私が好きなビストロ料理の1つがこのAndouillette♪所謂、豚の内臓の腸詰のようなお料理なんですが、フランスでは、AAAAA (Association Amicale des Amateurs d'Authentiques Andouillettes)=「本格的アンドゥイエットのファン協会」 なるものがあり、Andouilletteにはウルサイお方々が沢山いらっしゃる程の人気料理で、私もフランスに行ったら、滞在中、1度は食べるくらい好き。
パリッと香ばしく焼けたところにナイフを入れると、豚のホルモンの匂いがふわーんと(^^) うわうわ、日本風に、お上品に、アレンジしたのでなく、ガツン系のちゃんとしたAndouilletteだ!内臓のねっとり感、強めの塩、この匂い、たまりません。マスタードをつけて食べるとウマウマ。ポーションもしっかりしているのが嬉しい。これにたっぷりのフレンチフライか、マッシュポテトが添えてあったら、なお嬉しい。
●Pied de Cochon
こちらは相棒のチョイス。豚足に細かくばらした豚足を詰めたファルシーです。表面がパリパリに焼いてあって、中は、ゼラチン質がとろっとろ。こちらは、ガツン系ではなく、香りは穏やかで、お味も優しい仕上げだったそうです。ポーションも程好い塩梅。マスタードの酸味を添えて。
●Chateau Les Eyquems 2005 Cotes de Bourg
ここは、ワインを飲みながら料理を楽しむビストロ。お料理もワインを飲みながら食べることを前提にした味付け・・・なんですが、肝心のワインリストは、ちょっと寂しい。赤ワインをフルボトルで飲もうと思ったら、選択肢がわずかに6種類。内訳は、ボルドー1、ブルゴーニュ1、カリフォルニア1、イタリア3・・・・。Vin de Paysのものでもいいから、料理に合う、手頃で美味しい、フランスワインを揃えて欲しい気がします。好みを押し付ける訳ではありませんが、前菜もメインも豚を使ったお料理が多いので、ローヌやランドックのものだったら、きっと料理に合うんじゃないかと思います。夜でも、ワインを飲みながらお食事する人が少ないようなので、ワインを充実するのは難しいかもしれないけれど、ここは、是非とも頑張って欲しいところ。お料理がいいだけにもったいない気がします。
メニューは、フランスのビストロを思わせるような楽しい内容で、1皿ごとの料理には、勢いがあり、店をOpenしたばかりのシェフの心意気が感じられます。ポーションも申し分なく、美味しいものをたっぷり食べたぞーという充足感に浸れます。フロアのサービスの方の対応も気持ち良く、料理の説明は丁寧ですし、適度な距離感を持ちつつ客と会話ができる点は好感が持てます。(気持ち良くお食事できるかどうかは、フロアの対応で左右される部分がありますもんね。)ペルノーやカルバドスなど食前・食後に飲めるお酒も、ちゃんとあるところも、ポイント高し。店内の照明がもうちょっと暗くなって、ワインの選択肢が増えて、食後にエスプレッソが飲めれば・・・言うことナシ。
お店のメニューは、日付入りの日替わりで、オープンした日からずーっと、毎日貼り重ねてあるそうです。オープンから20日程経ったこの日は、3mmくらいの厚さになっていました。お店の歴史が、メニューの厚みになって表れていく・・・だなんて、面白い趣向ですね。半年後には、電話帳くらいの厚さになっているのかな。・・・想像するだけで楽しそう。メニューが電話帳の厚さになっても、きょう食べた料理が、残っていますように。
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●Arbre de Bacchus HP(ビストロ)
住 所:名古屋市中区新栄2-10-14 電 話: 052-242-1178
最寄駅:新栄2番出口より、徒歩5分
備 考:支払いは現金のみ → クレジットカードの使用可
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とある日のメニューはこんな感じ (写真をクリックして拡大して見てね)
何度見ても素敵なラインナップだ・・・(^^)