3日目 づつき
会津旅行最後の夜は、古い土蔵の中で、会津野菜を使った郷土料理と地酒が楽しめる「
ぼろ蔵」で、会津の春を満喫しました。
◆老町 ぼろ蔵
「ぼろ蔵」は、会津鉄道「七日町」から徒歩7分程、野口英世青春通りの手前にの「老町(おとなまち)」の小さな通りにひっそりと佇む蔵を改装し、みやこさんという女性店主がお1人で営む居酒屋です。ジャズが静かに流れる店内は、厨房を囲むようにL字型のカウンター席数席、その奥にテーブル席1つ、蔵の2階を利用した席があり、合わせて20席程かしら。近所の常連さんたちが楽しげに語らうカウンターの並びに、我々も座らせていただくことにしました。
メニューは、お酒は会津の蔵元のものを中心に数種類あり、料理は、ひろご、雪中あさつき、ウド、タラの芽など、会津の旬の時野菜や山菜を使ったオリジナル料理が中心。大根とウドのサラダ、タラの芽の蕎麦粉焼き、春野菜の蒸篭蒸し、雪中あさつきの酢味噌和え、薬用人参の天ぷら、山芋の磯辺揚げ、蕎麦がきのバター焼き、薬膳スープ、田楽などなど、どれも美味しそうで、目移りしてしまいます。まずは、うすにごりをもらって、ゆっくりと本日のオーダーを決めます。
食べたもの
*お通し:ホタルイカとサトイモとコンニャクの煮物
*めひかりの一夜干し
*味噌田楽
*大根とウドのサラダ
*山菜の天ぷら
*身欠き鰊の味噌粕漬け 炙り
*そばがきのすいとん
日本酒
*会津娘 雪がすみの郷 純米うすにごり
高橋庄作酒造店
*国権 夢の華
国権酒造
*天明 天明 中取り槽しぼり
曙酒造
*会津娘 五百万石
高橋庄作酒造店
*無為信 味の複雑味 辛口 その土地の人が土産土消視聴
高橋庄作酒造店
●お通し
サトイモとホタルイカの煮物。サトイモにイカの旨みが沁みていて美味しい。
●メヒカリの一夜干し
時間をかけて香ばしく焼いたメヒカリは、香り良く、齧ると、凝縮された魚の旨みがじんわり。ウマウマです。味噌と一緒に添えてあるのは、「ひろご」という会津野菜。地方によっては「のびる」と呼ぶ野菜の仲間だそうです。「お酒に合いますよ」というお言葉通り、ピリッとした爽やかな辛味に味噌の塩気が良く合って、格好の酒の肴に(^^) ついつい杯が進んでしまいます。
●味噌田楽
頼んでから、泥付きの里芋の皮を剥いて、レンジ蒸して作ってくれた里芋の田楽。甘みを抑えた田楽味噌が、里芋のネットリとした旨みを引き立てます。
●大根とウドのサラダ
大根とウドの千切りに、カットしたマンゴー、会津野菜(名前を失念)の梅酢漬けを散らし、胡麻風味のドレッシングをかけてあります。シャキシャキした大根とウドを、甘酸っぱいフルーツや酢漬けの酸味で味わう爽やかなサラダ。ほんのりとした胡麻の風味が全体を調和させています。
●山菜の天ぷら
目の前で、ウド、タラの芽、フキノトウ、ウルイ、葱の大葉巻きが、手際良く、揚げられていきます。山菜らしいほろ苦さ、いいですね。
●身欠き鰊の味噌粕漬け 炙り
これは、
吉田類の酒場放浪記を見て、食べたいと思っていた1品。身欠き鰊を戻して味噌粕に漬け込んだものを炙ったもの。味噌の焼ける香ばしい香りが食欲をそそります。鰊を味噌粕漬けにすることでコクと風味が増し、酒の肴にはもってこい。
●そばがきのすいとん
〆は、そばがきのすいとん。ふわふわのすいとんが入った卵とじのお汁は、優しい味。温まります。
ほとんどの料理が、作り置きではなく、注文を受けてから、材料を冷蔵庫から取り出し、丁寧に作る、文字通り「手作り料理」。これだけのお席の分を、みやこさんお1人で作るので、料理が出てくるのは、ゆったりペース。ついつい日本酒が進んでしまいました。
会津娘 雪がすみの郷 純米うすにごり
この時期は、やっぱり、にごりですね。
国権 夢の華
「国権てふ」がなかったので、こちらを。地元福島県が開発した酒米「夢の香」を醸した純米酒。香りは、マスカット系の爽やかな香り。さらりとした口あたりで、柔らかな旨みがじんわりと広がる、派手さはないけれど、飲み飽きしないお酒。
天明 中取り槽しぼり
上立ち香は上品でかなり控えめ。口に含むと、まろやかな旨みの後から、渋みと酸味が追いかけてくる感じの辛口。個性的な味わい。
会津娘 五百万石
こちらは燗で。味に幅のある辛口。温度が下がり燗冷ましになると、じんわりと甘みが滲み出て、しっとりとした旨みが広がっていく感じ。
無為信
お隣さんからのお裾分け。会津の酒らしい、きりっとした辛口。味の複雑味が格段に違います。
ここは、会津の旬の時野菜を使った料理と選りすぐりの地酒が楽しめるお洒落な居酒屋。どのお料理も丁寧に作られていて、ここでしか食べられない味ばかり。料理に添えるちょっとした野菜にも手抜きが無いところが嬉しい。店主のみやこさんは、穏やかな笑みを浮かべ、手際良くお料理を作っていきますが、お1人で切り盛りするには、キャパ的に、少々無理があるような・・・(^^ゝ そんなことを差し引いてもCPの高さは◎ ここを訪れたからには、みやこさんのおっとりとした人柄を愛する地元の常連客に倣って、ゆったり構え、料理が出来るまでの時間も楽しみたい。隣客との会話も弾み、酒も進み、何時間お店にいたかしら。しっかり飲んでしまいました(汗)地元の人たちと色々とお話も出来、思い出深い一夜となりました。
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●ぼろ蔵 (居酒屋)
住 所:会津若松市中町2-73
電 話:0242-27-6923
最寄駅:JR「七日町」 徒歩10分
備 考:支払いは現金のみ*""*""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*