1月の沖縄旅行で
訪れた、乳山羊専門の「
はごろも牧場」で購入した、シェーブルチーズ『ビンザブラン』を6週間かけて、じっくり味わってみました。
****食べて、飲んで、調べたこと・・******************************************はごろも牧場
沖縄県本島の中部の太平洋岸沿いに広がる中城村にある、家族経営の小さな牧場です。牧場では、トッケンブルグ、ザーネン、アルパイン、ヌビアン、という乳用品種の山羊ばかり、120頭を飼育しています。牧場主の新城将秀さんは、牧場の仕事を終えると、チーズ職人として、その日の朝に搾った新鮮な「やぎみるく」を使って、ナチュラルチーズの製造に励んでいます。
ピンザブラン
「ビンザブラン」は、白カビタイプのシェーブルチーズです。沖縄の方言で山羊を意味する「ビンザ」、フランス語で白を意味する「ブラン」から取って命名。ビンザブラン1個作るのに必要なミルクは、およそ2リットル。これは、1日に1頭の山羊から搾ることのできるミルクの量なのだそうです。少量生産ながら、レベルの高さを感じる逸品。
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購入したのは、2009年1月24日現在で、熟成2週目、4週目、6週目のもの。これを、冷蔵庫の野菜室で熟成させながら、若いものから順に食べてみました。
熟成2週目のもの柔らかな表皮の中は、真っ白で、キメが細かく、弾力があります。
さらに1週間経過
・・・フレッシュなミルクの風味に、仄かな酸味、草のフレーバーを感じる、爽やかな味わい。
さらに2週間経過
・・・シェーブルらしい酸味とミルクの甘みにミネラルの風味が加わり、味わいに広がりが。
熟成4週間目のもの
表皮は、飴色っぽい筋が入り、熟成具合を感じさせます。カットすると、芯の部分は、うっすらと白さが残っていますが、周囲は、とろりと柔らかく、色合いもクリーム色に変化。
さらに3週間経過
・・・クリーミーで舌にまとわりつくようなネットリとした食感。濃厚なミルクの旨みに、ナッツの風味が加わり、胡桃と一緒に食べると美味しい。
さらに4週間経過
・・・濃いクリーム色の中身がとろりと流れ出さんばかりの熟成具合。熟成により、表皮は、舌にピリっとくる部分も出てきました。クラッカーに塗って食べると、シェーブル独特の風味が口いっぱいに広がり、熟成香が余韻として残る感じが素敵。
熟成6週目のもの
表皮は固く、水分が飛んで、一回り小さくなった感じ。色合いは淡いベージュで、セミハードのような、ギュっとした身の詰まり具合。表皮のピリピリ感は以前に増して強くなり、舌を刺すような刺激に変化。ナイフで表皮を取り除きながら、いただきます。
さらに5-6週間経過
・・・栗のようなホクホクとした食感。ミルクの力強さを感じる凝縮感のある味わい。熟成により、酸味がコクや旨味となり、噛み締めるごとに、味わい深い。
チーズは、牧場で飼育する、4つの品種とそれらを交配した山羊のミルクで作っているため、その日によって、ミルクの配合が異なるし、製造過程での若干の個体差はあるけれど、フレッシュな時の爽やかさに始まって、熟成が進む過程でのネットリとした練れた味わい、水分が飛んで、ホクホクした凝縮感のある味わい・・・とそれぞれの段階ならではの風味が楽しめます。国産のシェーブルもここまで来たんですね(しみじみ)。旅行中、名古屋に戻ってからと、短期間に合わせて熟成の異なる5つのビンザブランを食べましたが、それぞれに面白みがあって、飽きることなく楽しめました。春先に草の新芽を食べた山羊のミルクで作ったチーズだと、どんな違いが出てくるのでしょう。初夏になったら、牧場へ購入の問い合わせてみたくなる、そんなチーズです。
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●はごろも牧場 (山羊牧場 )
住 所:沖縄県中頭郡中城村字南浜75 (牧場)
電 話: 098-895-5119
備 考:牧場見学、チーズ購入の場合は、事前に要予約*""*""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*"""*""*""*"""*"""*"""*